駅前は街の顔であるにもかかわらず、首都圏ではどの駅を降りても似たり寄ったりで、金太郎アメの状態です。藤沢駅周辺の再整備事業は絶好のチャンスです。私は広告を極力少なくした上で、海のイメージで、色や看板などを統一すべきだと提案しています。これに対して、藤沢市としては北口は遊行寺、南口は海のイメージで進める考えを示しました。
私は、特に南口の特徴は、駅前のゆったりとした広場にあると思っています。ここに空間があることが、ビルの圧迫感を減らし、湘南の空を感じさせるのです。いまの小田急デパートはちょうどいい距離にあると感じています。二階のデッキが広すぎると空間がなくなり、せっかくの特徴が消えてしまいます。また市民に親しまれている大木の扱いも問題になるでしょう。
再整備では、直結型の商業施設の新設も考えられます。そうなれば周囲への影響は必至です。デパート側も大胆な改革が必要となります。食品しか売れない時代と言われます。思い切って二階に食品売り場か、レストラン街をもってきたり、店内
に保育施設を入れたらどうでしょう。専門店であるビックカメラは好調な売り上げを確保しています。藤沢市は基本的に「住宅都市」です。単なる利便性を超えた特徴にこそ価値がある点を忘れてはなりません。
