電車の中で子どものベビーカーをよく見かけるようになりました。ベビーカーが増えたのに対して、障がい者の車いすの利用が増えないのは残念なことです。社会進出を考えれば、本来なら比例して増えてもいいはずです。
ところで一見、ベビーカーのように見えて、実は子ども用の車いすがあるのをご存知でしょうか。わたしは知らなかったのですが、かつてニュース番組のリポートで映像の編集を手掛けていただいた担当者の方から、こうした「子ども用の車いす」のリポートを制作したので、放送を見てほしいと連絡を受けました。
こうした車いすは、「バギー型車いす」と呼ばれていて、病気などで長時間、同じ姿勢を保てない子どもたちが使います。普通の車いすと違って、ベルトで腰をしっかり固定できるようになっていたり、背もたれなどが独自に調整できるようになっています。重さも15キロほどあり、これに人工呼吸器などを付けると相当な重さになります。
ところが見かけはベビーカーに似ているため、その存在が理解されず、保護者らの苦労が絶えないそうです。例えば、ホームでの段差などでスロープを使う介助を断られたり、車内でもベビーカーと勘違いされて、折りたたむよう乗客から言われるそうです。このため保護者らが、啓発に努めようと、共通のマークづくりなどを行なっている活動風景が紹介されました。
子どもたちは、定期的に病院などに行くため、こうした車いすが欠かせません。もしかしたら自分が車内で、ベビーカーだと思っていたのに車いすだったこともあるかもしれません。知らないことは恐ろしいことです。リポート自体は、NHKの「おはよう日本」で放送されました。関心がある方は、ぜひ、ホームページをご覧ください。
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