藤沢市にある湘南アイパークは、面積が25ヘクタール、東京ドーム5個分の敷地に5つの巨大な建物が立っています。建物は3領域の研究に分かれ、それぞれが長い廊下でつながっています。その風景は、まるでSF映画に出てくる近未来の研究所のようです。
この施設には、もともと再生医療で名高い京都大学が入居していましたが、新しい施設には、さらに慶応大学や山口大学、それに大分大学などが加わって、合わせて19のグループが入居するに至っています。それぞれのグループが共同研究を通してイノベーションを起こすことが期待されています。
バイオ研究には、高額の機器が必要ですが、グループは、施設の機器を使うことができるため、初期投資を省くことができます。また施設内には、数多くの交流場所が設けられていて、研究者同士が垣根を越えて、意見交換できるよう工夫されています。
武田薬品は、この施設を神経系と再生医療の研究開発の拠点にする一方、ボストンの施設をがんや消化器系の研究開発の拠点とするなどすみ分けを行ないました。これによって、施設の一部に空きが出てしまったことから、テナントとしての有効利用を図る面もあります。2年後には、3000人の研究者が集まる施設にしたい考えです。