教育改革の現状についてベネッセ教育総合研究所の小泉和義副所長にお話を伺いました。
この中で小泉副所長は、これまでの知識重視の教育から、思考力や判断力を重んじる教育に変わる必要性を主張しました。そのうえで、学習指導要領の改訂や、大学入試改革によって、国もそうした方向に舵を切りつつあると述べました。
授業では、教師が講義する形式から、グループに分かれて議論する形式が増えるほか、入試では、記述式の質問が増えて、学力を問わない入試はなくなるとしています。こうした自ら課題を見つけ、どうすれば解決できるか考える能力を育てる教育は、人工知能が発達して、将来の職業が激変する社会にも見合うものだと指摘します。いわば、魚そのものを与えるのではなく、魚の釣り方を教えようという考え方です。小泉副所長はまた、自分だけだとなかなか気づけない、ほかの人の考え方を学ぶことも成長につながるとしています。
ただこうした改革に対して、教師の中にはついていけない面もあるので、教師への指導も必要であること、学校だけで対応していくのは限界があるので、民間や地域など外部の力を借りる必要があることを挙げています。