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藤沢市子どもの生活実態調査最終結果 その2

藤沢市が行なった子ども生活実態調査からは、いわゆる「子どもの貧困」が、学力の格差、そして将来設計に影響を与えていることが判ります。

注目は、学習塾や家庭教師の利用状況です。中学では7割が利用しています。▲利用していないのが、27.1%で、小学のおよそ半分です。最も多いのが、▲週に3日で、42%に上るほか、▲週に2日が17.1%となっています。小学でも▲22.1%が週に2日、利用しています。
当然、教育費もかさみます。中学の保護者の悩みは、▲進学や受験が51.6%で最も高く、▲教育費が32.6%でその次となっています。とくに塾にかかる費用は重く、月額3万円以上、5万円未満が最も多くなっています。

進路についても、中学の子どもは、▲一般家庭の61.8%が、「大学かそれ以上」と答えているのに、▲困窮家庭では22.2%にとどまっています。家庭の経済力が一因で、進路の選択に差が出ていることが判ります。
学校での困りごとについても、▲「進路への不安」が、困窮家庭では、一般家庭の2倍近くの61.1%に上っているほか、▲「勉強が良く分からない」が、困窮家庭では、3倍余りの47.2%に達しています。

では一体どのような支援が必要なのか聞いたところ、▲「家で勉強できないとき、静かに勉強できる場所」が最も多く、59%に上っています。次に▲「勉強を無料でみてもらえる場所」が47.8%とつづいています。この傾向は、困窮家庭の子どもほど強くなっているのが特徴です。

この生活実態調査の最終結果では、子どもの夢に対しても質問しています。
▲小学では25%、▲中学では42.8%が夢がないと回答しています。その理由として多くが、「具体的に何も浮かばないから」と答えています。
また学校について、▲小学の31.1%、そして▲中学の41.1%が、「行きたくないと思った」と答えるなど不登校につながりかねない因子が見受けられます。
もちろん、7割の小中学生が、友人と会えるなど学校は楽しいと答えています。しかし、学年が高くなるほど、子どもが夢をもちにくく、子どもによっては、学校が居心地のいい場所ではないことも現実なのです。

興味深いのが、放課後に過ごす場所です。小学生では、「自分の家」のほか、「塾や習い事」、「公園」、「友人の家」、「スポーツクラブ」などが目立っています。これに対して、中学生では、「部活動など学校」が圧倒的で、「自分の家」や「塾や習い事」となっています。もっとも個性を育まなければならない中学時代が、ほぼ学校と自宅と塾の往復に終始しているのは、もったいない気がします。現に、中学生の自由記述では、「先生の教え方」や「部活動の拘束時間」、「友人関係」での悩みが多くなっています。

今回の最終結果を受けて、学校は、本来、何をするところなのか、考えさせられました。経済格差が、学力の格差につながっている実情や、児童生徒の学力が、塾に支えられている現実を直視し、もう一度、学校を勉強する場所に変える必要があると改めて痛感しました。また学校は、社会の縮図ともいえ、いろいろな個性が集まる一方、集団の論理も働きがちです。公教育の宝は、子どもたちの多様性のはずです。子どもたちの可能性を狭めるのではなく、伸ばしていく公教育でなければなりません。

また、子どもの生活実態調査の最終報告では、保護者に対して、子育て上の経験についてきいています。対象は、5歳の子どもや、小中学生の保護者です。

この中で、いま社会問題化している虐待や、DV、うつに関する項目があります。まず、▲「わが子を虐待しているのではないかと思い悩んだことがある」とした回答が、平均で12.7%に上っています。また▲「行き過ぎた体罰を与えたことがある」が平均で6.9%になっています。そのほか▲「配偶者から暴力を振るわれたことがある」が6.5%となっています。
そして、▲「育児放棄になった時期がある」とした回答は、1%台にとどまりましたが、▲「出産や育児でうつ病あるいはうつ状態になった時期がある」が11.1%に上っているほか、▲「自殺を考えたことがある」が5.3%になっています。

こうした傾向は、比較的、ひとり親の世帯や、困窮家庭に強く出ているのが特徴です。
保護者が求めている支援制度については、「学校以外で子どもがなんでも相談できる場所」、「勉強を無料でみてくれる場所」、「家で勉強できないとき、静かに勉強ができる場所」が多くなっています。とくに小学では、「子どもが平日の放課後、夕方6時までいることができる場所」や「休日にいることができる場所」も多くなっています。具体的には、子育て世帯への経済支援や、保育所・児童クラブの充実、学校の開放などが挙げられています。

子ども生活実態調査

藤沢市が行なった子ども生活実態調査

子ども生活実態調査

 

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