高知県は、室戸岬で知られる室戸市に津波からの避難シェルターを建設しています。室戸市は南海トラフ地震で最大24メートルの津波が予想されています。建設場所は、海岸線と急な崖に挟まれた住宅地の近くで、200人を超える住民の4割が高齢者です。多くの高齢者にとって、高台への避難は厳しい状況です。崖のふもとに建設中の避難シェルターは、横穴式のトンネル状で、幅が3メートル、奥行きが32メートルとなっています。一番奥には上に抜ける24メートルの穴が掘られています。ここから空気を供給するほか、らせん状の階段もつけられます。
避難シェルター自体は、防水シートが入ったコンクリートで囲まれていて、二重の扉で最終的に水の浸入を防ぎます。耐震性も十分で、71人が避難できます。去年12月から工事が始まり、来年3月に完成する予定で、工事費は2億7000万円です。最後に誰が扉を閉めるかが、問題となっていますが、県の南海トラフ地震対策課では地域で決めて欲しいと話しています。