防災教育について学ぼうという講演会が藤沢市民会館で開かれました。これは藤沢市建設業協会が開いたもので、群馬大学の片田敏孝教授が講演しました。東日本大震災で巨大津波に襲われた岩手県釜石市では、小中学校で行なわれていた防災教育のおかげで、およそ3千人の児童・生徒のほとんどが生き延びたと言われています。「釜石の奇跡」と呼ばれていますが、その7年前から、防災教育に携わったのが片田教授でした。
片田教授は、各自が自分で命を守るため、ばらばらになって逃げる「津波てんでんこ」の教えが重要だとした上で、想定にとらわれず、より安全な場所に避難することや、真っ先に逃げる勇気をもてば、周りもついてくると話しました。自分で判断した子どもたちを称える一方で、亡くなった子どももおり、奇跡とは言えないと強調しました。そして、家族の心配をせずに各自が逃げる「津波てんでんこ」の教えは、冷たいように聞こえるが、実は自分の家族は必ず逃げているという信頼関係に基づくものなのだと訴えました。
津波が予想される藤沢市こそ、こうした防災教育が不可欠だと実感しました。