藤沢市鵠沼桜が岡にある茶室付きの家屋について、以前報告いたしましたが、この度、千葉県鴨川市に移築されることになりました。
この家屋は、茶室や応接室があり、松がある庭と共に地域に愛されてきました。ただ維持費もかかることから、所有しているご夫妻が土地と建物を手放すことになったものです。築60年余りの立派な建物であるだけに、ご夫妻は、取り壊すのは忍びないとして、保存方法を探ってきました。海外への移築なども一時、検討されましたが、最終的に30年近く日本に住むオーストラリア人の男性が、鴨川市にある別荘地に受け入れることになったものです。
この方は、「日本家屋の形にほれ込んだ。自然環境にも適合しており、壊してしまうのはもったいない」と話しています。現在、手作業で家屋の解体に取り組んでおり、材料を移した後、組み立てて、この秋ごろにも完成させたい考えです。一方、家屋を譲ることになったご夫妻は、「場所は移ってしまうが、この姿が残ると思うだけで幸せだ。外国人の方が、このように受け継いでくれて有難い」と述べています。
藤沢から一つの文化がなくなるのは寂しいことですが、八方ふさがりの中、保存されることになって一安心です。