藤沢市は、慶応大学の湘南藤沢キャンパス周辺に新しいまちをつくろうと計画しています。その柱となるのが、湘南台駅からの相鉄いずみ野線の延伸です。詳細はまだ決まっていませんが、秋葉台公園の近くと大学の近くにそれぞれ駅を設置したい考えです。
選択と集中を基本とするコンパクトシティの考え方からすれば、新しいまちをわざわざ作ることは逆行しているといわざるを得ないと思います。特にいずみ野線の延伸には、不安を感じざるを得ません。まだどのような手法で進めるか決まっていませんが、例えば行政と民間が進める第三セクターによる鉄道経営は全国的にもうまく行っていません。埼玉高速鉄道ですが、巨額の初期投資が重荷となって苦しい経営が続いています。去年は債権者との話し合いを通じて、一部の借金を棒引きしてもらう事態になりました。利用者は増えていますが、当初の見通しの半分に過ぎません。横浜市のみなとみらい線も似ています。営業利益は安定していますが、最終赤字となっています。
もちろん規模が違うため、一概に比較できませんが、いずみ野線の場合、繁華街を通る訳ではありません。大学はありますが、新たな住宅街を作る訳ですから不安要素は大きいと言えます。市当局に対しても、改めて慎重な検討をお願いしています。