広島を訪れたアメリカのオバマ大統領は、核兵器のない世界を追い求めなければならない、絶え間ない努力で破滅を避けることができると述べました。そして広島と長崎はその始点にならなければならないと強調しました。
私はかつて第五福竜丸事件の被爆者を取材し、核兵器廃絶への思いを伝えました。しかしアメリカとロシアを中心に世界には1万5千発の核兵器がある。心の何処かで、そんなの理想だ、簡単に進むはずがないと思っていました。
この度、原爆資料館を再訪しました。原爆投下で黒焦げとなり、水を求めてさまよう住民の絵は、地獄はこの世にあったと結ばれています。また目に見えない放射能は、例え爆心地から遠くても長い時間をかけて、住民の身体を蝕んだのです。
お話を伺った市民の方々も、広島の人は親類に必ず被爆者がいる、みなの願いは悲劇を繰り返さないことだと答えました。
大統領と会った被爆者団体の代表、坪井直さんは、退任しても遊んではいけない、核をなくすため一緒に頑張りましょうと呼びかけました。そして自分は決して諦めないと話しました。
総論では賛成でも、各論では反対するのが、人の常です。自分の利益が関われば尚更です。われわれは、初めから諦めてしまっている。それは国家レベルの問題でも、藤沢市の問題でも同じです。どうせ変わりはしない。政治の責任は大きいと思います。そんなことはないんだということを少しでも証明していきたいと強く思いました。