アメリカのオバマ大統領は、被爆地、広島を訪問しましたが、滞在時間はわずかでした。これは大手メディアも一緒です。歴史的な広島訪問を取材しようと、東京にあるテレビのキー局や新聞社の本社から大挙して報道陣が訪れました。
こういう場合、苦々しい思いをするのが地元メディアです。長年、丁寧な取材を重ねている地元のテレビ局や新聞には、意地があります。翌日、地元の中国新聞がどのような記事を書いてくるのか、朝刊が気になりました。やはり、東京の大手メディアと比べて、やや辛口な論評となっていました。地元メディアは、より地元に寄り添った視点が強みなのです。
市民の政治離れが問題となる中、やはり情報提供が一つのカギとなります。例えばわたしの初任地である静岡県には、静岡新聞という圧倒的な発行部数を誇る地元紙があり、県内ニュースを詳しく伝えています。またテレビ各局も、県内ニュースに特化した放送枠があり、激しく競い合っています。
それに比べて、神奈川県は情報不足です。確かに神奈川新聞という地元紙が、詳しく報道しています。しかしテレビは、テレビ神奈川を除くと一都六県の首都圏枠になってしまうため、どうしても県内のニュースが取り上げられる頻度は少なくなります。こうして自分が住んでいる県や市の首長の名前も知られていないという状況が生まれます。なかなか埋められない溝です。