首相補佐官などを歴任した外交評論家の岡本行夫氏が、高校の同窓会で講演しました。この中で岡本氏は、グローバル化の進展によって、世界的な貧富の差が広がり、その歪みがテロとして表面化したり、イギリスのEU離脱やアメリカのトランプ現象につながっているとして懸念を示しました。また安全保障について、日米関係が緊密であることを内外に知らしめること自体が、周辺国に対する抑止力になると強調しました。
岡本氏はさらに、中国、そして韓国との関係改善の必要性を訴えました。特に歴史をどこまで遡るかによって、認識に差が生じてしまう点を指摘しました。岡本氏は、社外取締役を務める民間企業が、戦時中、強制労働を強いた捕虜に謝罪した件についても、当事者が生存している間に、本人に謝罪することが重要だと強調しました。
わたしは沖縄在任中に岡本氏にお会いしたことがあります。場所は、アメリカ海兵隊のキャンプハンセンがある金武町でした。基地の正面には兵士向けの飲食店が立ち並び、独特の雰囲気がある街です。基地を抱える自治体から出された街づくりの要望を実現しようと奔走されていました。橋本、そして小渕内閣は、沖縄通が多く、基地問題に熱心だったと言われます。
わたしとは違い、政府は、県内移設を進める立場ではありましたが、そこには現場での丁寧な話し合いを欠かさない姿があったように思います。