巨大な布で島々を囲んだり、布が垂れ下がった門を公園に立ち並べたりする独特の現代アートで知られるクリスト氏の展示会が水戸芸術館で開かれています。クリスト氏は、25年前、茨城県北部にある水田地帯とアメリカ・カリフォルニア州南部にある丘陵地帯で、一斉に合計3100本の巨大な傘を設置する大型プロジェクトを成功させました。これらの傘は、高さが6メートル、直径が8メートルに及ぶもので、日本は青色、アメリカは黄色に色が統一されています。
展示会には、地権者に対して、プロジェクトの趣旨を伝えるためにクリスト氏自らが、現地に説得に回る姿を捉えた写真や、建設業者や行政との間で交わされた書類、それにクリスト氏が描いたデザイン画などが飾られています。雄大な構想を実現するには、資金力だけでなく、大掛かりな人員が必要になります。またこうしたパブリックアートは、人々が生活する公共的な空間で繰り広げられるだけに、行政だけでなく市民の理解がカギとなります。
藤沢市は、文化意識が高いにもかかわらず、パブリックアートは余りありません。街自体を舞台に、湘南海岸を意識したデザイン、そして市民に愛されるアートを展開したいと思っています。