アメリカの新大統領に不動産王のドナルド・トランプ氏が就任しました。
トランプ氏といえば、どうしても思い出してしまうのが、新興プロフットボール・リーグUSFLの失敗です。いまのNFLに対抗して、立ち上げたリーグで、チームのオーナーとなりました。リーグは、スティーブ・ヤングら有名選手をかき集め、人気を得ようとしましたが、崩壊しました。
トランプ氏は、航空業界にも参入しています。当時のイースタン航空の短距離路線を買収して、「トランプ・シャトル」を創業しました。豪華なサービスを売りにしましたが、格安航空の流れを予見できず、撤退しました。
トランプ氏は、20年間、「ミス・ユニバース」大会の共同オーナーでした。しかし問題発言が災いして、テレビ局との関係が悪化、売却せざるを得ませんでした。
これらの事業は、まさに偉大なアメリカを取り戻すというスローガンに呼応するものですが、独占型の成熟産業です。そこに未来は感じられませんが、人間の本質的な欲望を体現したものとも言えます。
主要な閣僚人事も、経済人と軍人に固められました。まさにカネと力を象徴したもので、トランプ氏の嗜好が分かります。ただ見事なくらいしがらみがなく、身内の共和党へも遠慮なしです。
大統領は就任すると同時に再選について考えると言われます。トランプ氏が、果たして再選を望んでいるのか、今後に大きく影響するだけにポイントになると思います。