藤沢市は、村岡地区にJRの新駅を作った上で、重要な都市拠点の一つにしたい考えです。この土地は、もともと旧国鉄の貨物駅だったところで、いまは藤沢市の土地開発公社が管理して、貸し出しています。新駅の建設に合わせて、隣の鎌倉市とも周囲を開発したい考えです。
鎌倉市が開発したいのは、JRの車両点検施設があった深沢地区の土地で、広さは、村岡地区の3倍に当たる32ヘクタールに及びます。藤沢市と鎌倉市、それに神奈川県は、おととし検討会を立ち上げ、事業を進めています。
ところが、去年秋、JRの調査によって、建設費がこれまでの1.5倍に当たる150億円に膨れ上がる見通しであることが判明しました。新駅の乗降客数の見通しは、これまでの9万3000人から、6万5800人に減少しています。これに伴って、新駅のホームなどの規模を縮小したものの、地質調査によって新たなくい打ち工事が必要になったほか、電気工事費などが上昇したためです。費用には、消費税などが含まれておらず、実質的な額はさらに大きくなる見込みです。
大船駅との短い区間に列車が止まらなければならないのは、サラリーマンの感覚からすると抵抗があります。何より、人口減少時代を迎える中、新たな街を作るのではなく、いまある街を強くすべきだと考えています。右肩上がりの時代の発想は、見直す必要があると思います。