藤沢市立鵠沼中学校で、アフリカのルワンダに住む障害者たちに義足を贈る活動を行なっている夫婦による講演会が開かれました。この講演会は、鵠沼中学校が、命について考えてもらおうと毎年、企画しているもので、生徒だけでなく地域の住民も参加しました。
ルワンダでは、ベルギーから独立した後も多数派のフツ族と少数派のツチ族の対立が激しく、当時の大統領暗殺を機に1994年、大虐殺が起こりました。3か月間で100万人が殺されたともいわれ、けがを負って、足が不自由になった住民が数多くいます。ルダシングワ夫妻は、こうした障害がある人たちを支援しようと、義足を作って無償で提供しています。
日本で義足を作る技術を学んだ妻の真美さんを中心に、義足を作る技師を育成、およそ20年間で7000人の義足を作るに至りました。ルワンダに作った拠点では、食事店も開いて、資金をねん出しつつ、障害者たちの経済的自立を目指して、パソコン教室も開講しています。
講演でルダシングワ夫妻は、大虐殺の背景には、ベルギーの統治下で、部族対立を煽るような教育がなされたことがあると指摘しました。とくに身分証明書には、かつて、所属する民族を示す欄があり、差別をしたり、受けたりしたそうです。
今回の講演会は、東日本大震災による被災状況や、末期患者の緩和ケアについて学ぶ講演会につづくものです。生徒たちは、アフリカの小国、ルワンダのことを一生、忘れないでしょう。わたしは、学校をもっと生きるために必要なことを教える場にしたいと思っています。勉学以外のこうした授業を積極的に取り入れてほしいと思いました。