アメリカには連邦議会の審議を生中継する専門テレビ、「Cスパン」があります。多くの国民が、ケーブルテレビに入っているため、手軽に視聴できます。
Cスパンがその力を見せつけたのが、最高裁判所の判事に指名されたトーマス判事の公聴会でした。黒人で保守派のトーマス判事に対して、セクハラ疑惑が持ち上がり、その資質をめぐって、大論争となったのです。トーマス判事は、結局、承認されましたが、ここまで承認の過程が公開されていることに驚いたのを覚えています。
トランプ大統領が新しい最高裁判所の判事を指名しました。最高裁判所の判断は、社会に大きな影響を与えるため、どういう判事を指名するかは、大統領の最も大きな仕事だという指摘さえあります。
トランプ大統領の人選は、共和党に合致するもので、保守派の気持ちをがっちり掴みました。ただ承認に向けて、一悶着ありそうです。
翻って日本の最高裁判所判事はどうでしょうか。衆議院選挙に伴う国民審査で、有権者は、不適格だと思う判事を選ぶことができます。しかし、少ない情報で選ぶのは、双方にとって気の毒としかいいようがありません。
市議会も、行政が指名した様々な委員を承認しています。あらかじめ人となりについて、説明がありますが、基本的に提供される情報は、経歴だけです。候補者の考え方について、聞きたいといつも思ってしまいます。