藤沢市にある障害者の支援団体「昴の会」が、福祉避難所の在り方について考える講演会を開きました。福祉避難所とは、災害が起きた時、障害者らが必要とする支援が整えられている避難施設のことです。
講演会では、静岡県立大学の研究員、青木千帆子氏が、東日本大震災での経験をもとに福祉避難所の問題について話しました。この中で青木氏は、「東日本大震災で開設された福祉避難所はなく、多くの障害者らが避難する場所を転々とした」と指摘しました。
その上で、「人間はそもそも指定された場所ではなく、最寄りの施設に避難するものだ」と述べ、最寄りの避難施設が、障害者らにとって安全な場所であることが重要だと強調しました。
わたしが視察した熊本地震でも、福祉避難所として指定されていた福祉施設の多くが機能せず、問題となりました。このため、急きょ、私立大学が受け入れ先となったり、学校など一般の避難施設内で特別なスペースが作られました。
藤沢市では、一時的な避難先として、13か所の市民センター・公民館を福祉避難所として指定しています。協定を結んでいる福祉施設の態勢が必ずしも整うとは限らないためで、近隣の職員も駆けつけ、会議室などを使って対応するとしています。
学校など避難施設内に特別なスペースを用意する案については、教室などを使うことは可能であり、管理者や地域が話し合っているとしています。