藤沢駅周辺の再整備に関連して、駅舎もデザイン性の高い、湘南にふさわしい駅になればと思います。市民からの要望も多い「湘南らしさ」を考えますと、やはり海が一つのキーワードになります。
ロサンゼルスにあるユニオン駅は、白い壁に時計台が美しい建物です。大きな半円アーチが特徴のスペイン風の建築で、いかにも西海岸という感じです。80年近くの歴史があり、駅舎は国の文化遺産に指定されています。
一方、マンハッタン郊外にあるロングビーチ駅は、住宅街にあるこじんまりとした駅です。赤い三角屋根をもつ住宅風の建物で、家庭的な雰囲気があります。都会の喧騒を逃れたいサラリーマンたちがここから通勤しています。
藤沢はかつて、海岸近くの別荘地として有名でした。ボストン郊外のケープコッドで目につくのが灯台です。管理人が住む古風な建物に連なって、白い灯台が建っています。市民から頂いた意見には、駅舎から富士山が見えるようにしてほしいという要望がありました。駅舎の屋根の上に灯台を作れば、その願いも叶います。
一方、外観だけでなく、内装も大切です。今のような広告だらけのごちゃごちゃしたものではなく、改札に向かうときから、海を感じさせる雰囲気づくりです。水族館のような雰囲気が味わえたらいいという意見も頂いています。実際、例えば、横浜の馬車道駅の内装は、レンガ造りの素晴らしいものです。
これまで一例を紹介してきました。通勤客を温かく迎えてくれる駅、観光客がまた訪れたくなる駅が望ましいと考えています。