オリンピックの会場となる藤沢市の江の島などでテロを想定した本格的な訓練が行なわれました。
これは神奈川県などが実施したもので、警察や消防など900人以上が参加しました。
まず片瀬江ノ島駅で到着した列車内で爆発が起こり、けが人が出ているという想定で始まりました。駅員らが英語を交えて乗客を誘導する一方、駆け付けた救急隊員らがけが人を搬送しました。駅前の広場では、けがの程度によって、治療や搬送する優先順位を決める「トリアージ」が行なわれました。
引き続いて江の島のヨットハーバーでは、サリンがまかれて、けが人が出ているという想定で訓練が行なわれました。NBC=核・生物・化学兵器を用いたテロへの対策は、わたしも取材したオウム真理教による事件を機に重視され、専門部署が設けられています。
会場では、有害物質の検知や、汚染の拡大を防ぐための区域設定が行われると共に、けが人の救出が行われました。こうした作業には、有害物質の付着などを防ぐ化学防護服が活用されました。一方、けが人については、二次汚染を防ぐため、けがの程度に応じて、除染が施されました。
最近のテロの特徴は、車を使って一般市民を狙うものです。ニースやバルセロナなど海岸近くの観光都市が標的となっています。またグループではなく、単独犯による犯行が目立っています。タイムズスクエアでは、暴走した車が歩道に進入しないよう、強固なブロックの塊を配置しています。国道沿いでもさらなる対策強化が必要かと思っています。