わたしも参加しているNPO「鵠沼景観まちづくり会」の機関誌に、講演会で話した内容が載りましたので紹介させていただきます。藤沢駅南口に本格的な公園広場を作ろうという提案です。
わたしは藤沢のブランド価値を引き上げることが今後の生き残る街になるために必要なことだと考えています。藤沢の価値とは何か。いろいろ意見もあると思いますが、海と緑に囲まれた恵まれた住環境にあると思っています。
こうした藤沢の価値がいま失われつつあります。とくに藤沢駅周辺の没落が指摘されています。駅前は街の玄関であり、街の顔です。だからこそ玄関をどうするかは決定的に重要です。
藤沢市は現在、藤沢駅周辺の再整備を進めようとしています。いま要望をしなければ、いったん決まった計画は変えることができません。私の提案は、自然環境を大事にする藤沢市を象徴するような公園広場を南口に作ることです。いまどの駅を降りても、駅前に広がる景色は金太郎飴のように同じです。わたしはこれを変えたいと思っています。
その際、モデルになるのが大都市ニューヨーク市の中心街にある「ブライアントパーク」です。ビルの谷間に広大な緑あふれる公園が広がっています。カフェなどがあり、真ん中の芝生では、映画やコンサートも開かれ、観光名所ともなっています。
南口も最低限の交通の利便性を確保しつつ、いま木々が植えられている小田急デパート側の敷地を拡大すれば、二倍以上の広さの公園広場が誕生できます。市民は東西南北どこからでも、道路を渡って、公園広場を通って歩くことができます。公園広場によって、それほどの予算もかからずに、まちのステータスを高めることができるのです。
実際、調査会社に依頼して行ったアンケート調査でも、いまの南口のイメージについて、「ごちゃごちゃしている」が47%、「デパートがある」が41%、「湘南のイメージがない」が36%などとなっています。次に何が大切かという問いに対して、「湘南らしい個性」が44%、「買い物の利便性」が35%、「交通の利便性」が24%などとなっています。そして7割が「公園広場」を作る案に賛成してくれたのです。
わたしは、「公園広場」のほかにも、屋外広告物と建物の高さに厳しい規制を設けることも議会で提案しました。十分な答弁は得られていませんが、藤沢の価値を高める作業をここから始めることが大事だと考えています。