認知症の方が電車にはねられて、損害賠償を求められるケースがありました。おととし最高裁は、家族には監督義務はなかったとして賠償責任を認めない判断を示しました。介護にかかわる家族は、一安心したわけですが、介護の実態次第では責任を問われかねないため、不安は尽きません。
大和市は、電車での事故などで、家族らが賠償請求された場合、市が負担する制度を始めました。市が保険会社と契約し、万が一の場合は保険会社から支払いが行なわれる仕組みです。保険の対象となるのは、認知症を患って、市に登録した方で、その数は200人を超えています。自転車に乗っていて、ぶつかって相手にけがをさせてしまった場合や、日常生活でのトラブルで他人のものを壊してしまった場合も適用されます。
導入の理由として、大和市内で鉄道の路線が多く、踏切が多いという事情があります。翻って、藤沢市を考えてみると、やはり路線が多く、自由に出入りできてしまう場所もあります。掛け捨てのリスクはありますが、興味深い対策だと思っています。
厚生環境委員会で、同じような制度の導入について検討したらどうかと質問したところ、藤沢市は、現在、事故が起きた例はないが、ほかの自治体の状況を見守りたいと答えました。