藤沢市のアートスペースで版画家の山岸主計(やまぎし・かずえ)の作品展が開かれています。
作品の中には、太平洋戦争を描いた戦争画もあります。山岸は、従軍画家として戦地に赴きました。当時の従軍画家の一人には、あの藤田嗣治(ふじた・つぐはる)
もいました。戦争画は、国威発揚のために描かれましたが、日本の場合、牧歌的な絵が多いとも言われています。
こうした大本営発表が、180度変わったのがベトナム戦争でした。世界の記者やカメラマンが、住民の視点から戦争の実相を伝え、反戦運動のうねりにつながりました。これに懲りた国は、その後、報道規制を強めたと言われています。
先ごろ、映画「ペンタゴン・ペーパーズ」を見ましたが、ベトナム戦争からウォーターゲート事件のころは、報道が権力を監視できた輝かしい時代だったことが分かります。
新人のとき、先輩記者からテレビ報道は歴史が浅いから、強くしていこうと言われ、余りピンときませんでした。今は少し分かる気がします。戦争画がもてはやされる時代に戻ってはなりません。