その土地独特の自然の中を歩きながら、世界レベルのデジタルアートを楽しんでもらおうという取り組みが長崎市の伊王島で始まり、地域活性化につながるか注目されています。
伊王島は、中心街から車で40分にある小さな島で、海水浴や温泉が楽しめます。ここでホテルを経営する会社が取り入れたのが、島にある森を利用した夜間限定のデジタルアート「アイランド・ルミナ」です。参加者は、夜の森を1キロほど歩きながら、デジタルアートを体験する仕掛けです。
デジタルアートを担当しているのが、カナダにあるアーティスト集団「モーメント・ファクトリー」で、今回のような形での海外進出は初めてです。デジタルアートには全体のストーリーがあります。このストーリーが、森の中の各ポイントに置かれた木版や特殊なスクリーン、そして山肌などに、映像を投射して浮かび上がらせるプロジェクション・マッピングという手法で語られるのです。ポイントの間に続く細い山道の両側には、ランタンや浮き玉が取り付けられ、青や赤の光を放って、道を照らしています。
参加者は、デジタルアートでストーリーを追うだけでなく、歩いているうちに幻想的な世界に入り込むのです。子供だけでなく、大人も堪能できる一級の芸術作品に圧倒されました。