ジェンダー研究の第一人者として知られる東京大学名誉教授の上野千鶴子氏が、障害者福祉について、藤沢市善行で講演しました。
この中で上野氏は、障害がある子どもを育てる保護者の会が実施したアンケートの結果、仕事を諦めた母親が非常に多かったことを紹介しました。
その上で、健常者の場合、子育てにメドがつけば、復職もしやすいが、障害者の場合、保護者の子育ては、そのまま続き、親亡き後まで不安が続く点が違うと述べました。
上野氏は、自立とは依存先の分散であるという言葉を使って、障害がある子どもが生きていくために、介助者などが複数いることが必要だと強調しました。
さらに今後の少子高齢化社会を迎えるにあたり、誰もがいずれ助けを必要とする「中途障害者」になるのだから、障害者福祉も、他人事ではなく、自分ごととして認識する必要があると述べました。
そして、高齢者対策もいかに支え合える社会を作れるか、いかに依存先を多様化できるかにかかっていると指摘しました。