12月議会の一般質問では、教育改革について質し、新しい時代にふさわしい教育について提言しました。
(学力の二極化)
わたしは公教育をもっと強く、もっと自由にしたいと思っています。渋谷区は、民間と協力して経済的な理由で勉強が難しい子どもたちを支援するため、学習塾などに通えるクーポン券の提供を始めました。素晴らしい取り組みではありますが、ある疑問も湧きます。一体、学校は何をしているのでしょうか。
子どもの学習塾にかかる費用は、家庭の経済状況に比例していて、学力の二極化が指摘されています。学力の高い子どもたちと学力の低い子どもたちに分かれてしまっているのです。学力の格差をどう解決していけばいいのか。学校外の過ごし方が学力の差に直結していると言われ、藤沢市でも73%が学習塾に通っている状況は、看過できません。
(学校での分業化を)
いまの学力が、学習塾抜きでは成り立っていない現実を認めたうえで、必要ならば民間の力も借りつつ、学校の教師が授業に集中できる環境を作らなければならないと考えます。学校を本来の勉強する場にする、学力の格差をなくし、底上げすることが大事です。
なぜ教師が授業に集中できないか、熊本県の調査によりますと中学では、依頼された調査、文書処理、部活動、保護者への対応、生徒指導などの順で壁となっていることが明らかになっています。
教師が授業に集中するには、分業化、役割の明確化が重要だと考えています。学校は、攻守何でもをこなさなければならないサッカーに似ています。これを攻守や役割が、はっきり分かれている野球やアメフトに変えるのです。
藤沢市も例えば小学校で、いじめや不登校に専門的に対応する「児童支援担当教諭」を設置しています。しかし、専門と言いながら児童支援担当教諭さえ、授業をしなければなりません。悩みを相談する相手として、スクールカウンセラーも、塾の先生や保健室の先生よりあてにされていないのです。
公教育を強くするには、教師が授業に特化することが先決です。必要のない業務はなくし、生活や進路指導も、専任の担当を設けるなど、分業化、役割の明確化が必要です。かつて夜回り先生と呼ばれる熱血教師がいました。頭が下がりますが、これからの時代は、教師は授業に専念し、生活上の問題があれば、専任の担当に引き継ぐべきです。
(部活動という障壁)
「ブラック職員室」の原因として、過度な部活動が社会問題化しています。練習時間が減らない理由に「地域や保護者からの要求が強い」「勝利至上主義が強い」などが挙げられます。純粋にスポーツや趣味を楽しむ機会は失われがちです。中学の運動部でも、教師の長時間労働ばかりが取りざたされていますが、スポーツとしての在り方も変えるべき時です。忍耐や努力を偏重する傾向を戒め、自主性を尊重し、科学的な練習を重視する姿勢が求められています。スポーツ庁もガイドラインを示しており、朝の練習を禁止したり、ひと月に数回しか練習しない部活など新しい形が出てきています。民間やクラブチームへの外部委託を進め、最終的には学校から完全に切り離す方向が望ましいと 思っています。