国土交通省が、1月1日時点の土地の価格の動向「地価公示」を発表しました。
藤沢市の地価は、住宅地が去年より0.1%、商業地が0.4%、それぞれ上昇しました。神奈川県南部の街としてはまずまずですが、東京都内や横浜市などと比べると低い上昇率です。
興味深いのは、首都圏を走る鉄道沿線にある駅周辺の地価です。住宅地を見てみますと、東京駅から50キロ圏の「藤沢」が、1平方メートル当たり31万1000円となっています。また「湘南台」が、25万6000円です。
これに対して、「横浜」が31万9000円、「鎌倉」が24万3000円、「大船」が24万1000円となっています。東海道線と小田急線が通っていることもあり、地価が比較的高いことが分かります。藤沢より東京に近い30キロ圏の「国立」や「町田」とほぼ同じ水準です。
また商業地では、「藤沢」が152万円となっています。「横浜」の1380万円には遠く及びませんが、「大船」のおよそ2倍です。30キロ圏の「千葉」や「町田」に迫る価格です。
このように藤沢市は、都心から離れているにも関わらず、優位性を保っています。なぜ藤沢に価値があるのか、交通の便がいいことはあるでしょう。しかしそれだけなら、都内や横浜に住めばいいことです。人々は藤沢にそれ以上の価値を認めているのではないのでしょうか。その価値とは、自然が豊かなことや、文化度が高いこと、そして明るく開放的な雰囲気だと思います。
しかし今、緑は失われ、高いマンションばかり立ち、文化の流出が顕著です。今こそ藤沢の価値を再確認し、積極的な対策を講じなければ、どこにでもある街になってしまいます。今こそ個性ある未来を築かなければなりません。