台風15号による停電を機に電柱の地中化が脚光を浴びています。地中化すれば、風や地震の揺れにも強いとされているからです。
そもそもロンドンやパリ、シンガポールなどは、地中化が100%なのに対して、日本は遅れていて、東京では8%となっています。戦後の復興に合わせて大量の電力が必要になったため、設置が容易な電柱に頼らざるを得なかったのです。
藤沢市内では、20年ほど前、藤沢駅北口で地中化がはじまり、現在、▲イトーヨーカ堂がある国道467号線、▲辻堂駅北口、▲湘南台駅周辺、▲六会日大前駅西側、▲辻堂元町にあるスマートタウン、▲江の島に近い国道134号線などで電柱の地中化が実現しています。
地中化の実現に際して、大きな課題が三つあります。一つ目が費用です。1キロ範囲で5億円かかるといわれていて、中長期的な投資が必要となります。
二つ目が、地下自体が満杯状態なことです。地下には上下の水道管、ガス管、そして通信ケーブルが入り混じっていて、電線を入れる余裕が少ないのです。
三つ目が、トランス・変圧器と呼ばれる装置の置き場所です。小型化が進んでいますが、歩道に50センチの幅が必要になります。街灯につける手もありますが、地上の場合、道路の幅が最低で15メートル前後必要となります。つまり、地中化できる道路は、幅がある程度ある道路ということになり、市が管理する生活道路では、厳しいのが実情です。
道路整備課では、道路の幅があることを条件に候補地を洗い出し、今後も地中化に着手したいと話しています。景観保護や防災の観点からも地中化が望まれるので、計画的に進められればと思います。