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英語民間試験問題について

大学入学共通テストの英語の民間試験の導入が延期となりました。
文部科学大臣による「身の丈」発言も論外ですが、わたしは、塾に通う子どもと通えない子どもがいる実情を政治の問題だと捉えず放置している、いまの公教育の現状に失望しています。

延期自体は、教育の機会均等の観点から、明らかに公平さに欠けており、適切な判断だと思います。
今回の問題を考えるとまず疑問に感じるのは、国が民間試験をどうして導入しようとしているのか、その理由です。

これについて、国は、英語の読む、聞く、書く、話すの4つの技能を評価するためだと答えています。とくに書く、話すの技能が足りないので、伸ばしていく狙いがあるとしています。
これまでのいわゆる受験英語の弊害は、ずっと指摘されてきましたが、なかなか改善されず、使える英語への転換の必要性が指摘され続けています。

一連の問題をひとくくりにせず、一つずつ丁寧に解決する必要があると思います。
なぜなら、ことは日本の国際競争力に関わる問題だからです。英語試験の問題に留まらず、英語教育のあり方について、考える機会にしなければなりません。

国の目的だけを聞けば、もっともだと思います。確かに一律の試験を変えれば、教育の底上げも期待できます。そのための学校の体制強化も必要となります。
個人的には、留学の際、必須となる「TOEFL」を活用することが、国際基準にもっとも見合うと考えます。どうせ勉強するなら、世界に通用する試験を使った方が合理的です。

一方、野党は、書く、話すの技能は、各大学が個別にやればいいのであり、共通テストには、そぐわないと主張します。これももっともだと思います。
そう考えると共通テストのような統一的な試験とは、一体なんだろうという疑問にぶつかります。共通一次が始まってから、内容や活用法は変わりながら、40年が経っています。
そもそも共通一次が導入された理由は、進学率が高くなるのに従って、国公立大学の入学試験が、難問化したためだそうです。つまり、もともとは基礎学力を問うためだったのです。

もう一つ気になるのが、大学入学試験に占める英語の得点の比重です。英語が重視されてきたのは、大学の授業で英語の原書を読む必要があるからだそうです。もっともな理由に聞こえますが、現実に即していない気がします。
実際、英語が得意なだけで、合格できてしまうケースはよく聞きます。とくに理系で優秀な人材が、語学が不得手なために合格できないケースもあり、もったいないなと思います。

ただ英語教育自体は、重要であり、充実させなければならないと考えています。
実際、英語を使うグローバルな仕事に就いている人口は、2割だとされています。だからといって、英語教育は、それほど重要ではないというのは違うと思います。
ネット社会で世界中の情報が手に入るいま、英語を使って、直接、生の情報を手に入れることが、誰にとっても重要になってきているからです。それこそフェイクニュースを少しでも減らす手段です。
また子どもたちの可能性を少しでも広げる必要もあります。英語ができれば、将来の選択肢が増えます。
国会の議論も、子どもたちの将来のため、本質的な議論をして欲しいと思います。

英語試験問題

 

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