12月議会の一般質問で、藤沢市なとが村岡地区への設置を要望している東海道線の新駅と周辺の一体開発について考えを質しました。
(東海道線の長所)
藤沢市の長所のひとつが、交通の便がいいところです。東海道線も小田急線も、東京までの「速さ」を競ってきた歴史があります。
1分でも早く通勤してもらいたいという目的があったはずですが、村岡新駅ができれば、これまで追い求めてきた速さに逆行し、藤沢市の長所を自ら消すことになると指摘しました。
これに対して藤沢市は、効果と課題について見極めていく、JRには利用者の心配に対して説明する必要性があると伝えたと答えました。
(新駅設置の目的)
新駅の目的について、藤沢市は、地元の交通が便利になるほか、都市機能を集めたコンパクトシティをつくるためであり、それは藤沢市全体にとって必要なことだと説明しています。
ところが、議会でも必要性を疑問視する意見が出ています。なぜ目的が分かりにくいのか。
神奈川県は、新駅について、鎌倉市の深沢地区との一体開発で、医療や創薬の一大拠点にしたいとしています。核となるのは、武田薬品の共同研究施設、湘南アイパークです。
わたしもアイパークを評価しており、治験分野での協力など連携を深めるよう提案したばかりです。
かたや藤沢市は、乗り降りする見込みを6万5000人としていますが、どれだけ地元にメリットがあるのか、まして藤沢市全体にどれだけメリットがあるのか疑問は拭えません。
腑に落ちないのは、地元のためになるという説明に無理があるからだと思います。
藤沢市としても、賛否はともかく、アイパークのために新駅は必要なのだと明言した方が分かりやすいと思います。
これに対して、藤沢市は、まちづくりが目的であり、アイパークも魅力的なまちをつくるための地域資源のひとつだと述べました。
(負担割合の問題)
新駅設置や周辺の区画整理など事業費の負担割合ですが、深沢地区の面積や市役所の移転計画などを考えると鎌倉市、およびアイパークの受けるメリットは、藤沢市より大きいと感じます。
藤沢市が、主導権を握っているとは感じられません。
藤沢市は、JRやアイパークに対しても、負担を求める考えを明らかにしていますが、大規模な事業であるだけに、前以てどのくらい負担できるのか提示すべきだと思います。また新駅については、県が3割、残りを両市が半々ということで、基本合意していますが、考え直すべきだと思います。
これに対して藤沢市は、経済効果などから負担割合で基本合意した、JRには一部負担してもらうよう求め、連携して対応していきたいとしていると答えました。