リチウムイオン電池の開発でノーベル化学賞を受賞した吉野彰氏が、藤沢市民会館で講演しました。
吉野氏は、電池の開発までの苦労を語りました。この中で、電池ができるまで、過去を含めて8人のノーベル賞受賞者の研究が関わっていると指摘しました。新しい発見は、英知の蓄積があってこそ可能だと言えます。
吉野氏はまた、商品化を強く意識していたことも明かしました。吉野氏が、旭化成に勤めていたためで、失敗を重ねながらも可能性を模索したそうです。
吉野氏は最後に、地球環境と経済が調和した持続可能な社会をつくるため、IT技術を賢く活用しなければならないと訴えました。
吉野氏ら近年、日本からノーベル賞受賞者が続いていますが、今後の科学技術を心配する声が高まっています。
例えば、研究者の人数ですが、文科省のまとめによりますと日本は、80万人あまりで、ここ20年で横ばいです。ところが、アメリカは、130万人あまりで3割増えています。中国に至っては、160万人あまりに倍増しています。
ノーベル賞には、自由な発想が欠かせないはずです。藤沢市の公教育でも、自由な発想を大切にする環境をつくり、将来的に研究者をめざす子どもたちを育てられたらと思います。