コロナ危機の中、冬のインフルエンザの感染流行が懸念されることから、藤沢市は、お年寄りの予防接種にかかる費用を無料にする考えです。
新型コロナウイルスと季節性インフルエンザは、ともに高熱が出るなど症状が似ていて、同時に流行することが心配されています。とくに新型コロナで重症化しやすいお年寄りについては、インフルエンザの予防接種を受けることで、発病や重症化を予防することが期待されています。
このため藤沢市では、65歳以上の高齢者が優先的に受けられるよう費用を負担したい考えです。予防接種は、通常3000円から5000円の費用負担が発生します。藤沢市ではすでに65歳以上については費用を補助し、1600円の自己負担で済みますが、これを無料とします。
対象となる市民は、10万人余りですが、昨年度の接種率は45%にとどまっているため、引き上げたい考えで、7万人余りを想定しています。期間は来月1日から来年1月までで、60歳以上でも心臓などの機能障害がある方も対象です。
予防接種に使うワクチンについては、藤沢市が薬業協会を通して、メーカーから必要量を確保する方向です。藤沢市は、今度の補正予算で2億円を計上し、議会の承認を得たいとしています。
藤沢市はまた、▲医師会の協力で週に2回行っているPCR検査センターの開設期間を来年3月まで延長します。さらに▲妊婦の不安を解消するため、出産前のPCR検査を無料で実施します。陽性だった場合、治療費については国がもちますが、出産費については自己負担となります。
藤沢市は、そのほか、▲大庭地区にある保健医療センターのうち、休日や夜間の診療、いわゆる一時救急に対応する体制を拡充します。インフルエンザの感染も懸念される中、内科については、発熱がある患者専用の体制を10月からつくります。