藤沢市アートスペースは、市内にあるパブリックアートを集めた冊子をつくりました。この冊子には71作品が紹介されています。アートスペースが市民にも呼び掛けて、市内のパブリックアートを調べました。
作品は、藤沢駅周辺や江の島周辺、大庭地区などに多く見られます。1980年代につくられたブロンズの作品が多く、静かにたたずむ女性や少女像が目立ちます。近年になるとステンレス製の抽象的な作品が多くなっています。
欧米で、差別撤廃運動の標的にもなったことで知られる政治家や軍人の銅像は少なく、名誉市民の片山哲元首相だけのようです。
市民の皆様も日ごろよく利用する場所にある作品について紹介します。
▲いまの市役所分庁舎にある「めでたき富士」は、名誉市民でもある片岡球子の作品です。壁一面に広がる赤い富士山が力強く描かれています。
▲藤沢駅南口にある「地」は、高村光太郎とも親交があった高田博厚が作成したブロンズ像です。市内にはほかに「空」と「海」と名付けられた作品もあります。
▲同じく藤沢駅の改札正面に飾られてる巨大な壁画「湘南賛歌」は、ベルギー生まれの芸術家、ルイ・フランセンの作品です。海辺の様子や打ちあがった花火などが描かれています。
▲市民会館近くにある大理石の作品「核兵器廃絶平和祈念像(平和の母子像)」は、鎌倉市に住む彫刻家、熊坂兌子の作品です。戦後50年に藤沢市が依頼して制作されたもので、母親は地球、子どもは人類をイメージしているということです。
わたしは、これからの文化芸術は、狭い箱の中ではなく、外に出るべきだと思っています。市民の目に見える形で、もっともっとパブリックアートを増やして、「文化都市」としての名声を取り戻したいと思います。