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藤沢市が藤沢宿の文化財を取得

 

藤沢市は、旧東海道藤沢宿にある歴史的建築物「旧桔梗屋」を買い上げたことを発表しました。

旧桔梗屋は、紙製品を扱う会社の支店として長い間、営業を続けてきました。2つの蔵のほか主屋で構成されている建物は、7年前、国の登録有形文化財に登録されています。
いわゆる藤沢宿には、いくつかの蔵がありますが、旧桔梗屋の蔵は、国道に面していることもあって象徴的な建物となっています。白い壁が特徴の「文庫蔵」は、重要な文書や金品をしまっておく蔵で、江戸時代につくられました。黒い漆喰で塗られた「店蔵」は、最近までお店として使われていました。

藤沢市は、この一帯を条例に基づいて街並みを守る地区に指定しています。今回、「藤沢宿の歴史文化を継承すると共に、地域の活力を図る」として、藤沢市は、土地開発公社を通じて、旧桔梗屋を先行取得したということです。
土地開発公社が、建物がある南側の土地を寄付として受け入れる一方、北側の土地を2億2200万円で買い上げる内容です。

藤沢市は、藤沢宿の街並み継承に力を入れており、それ自体は素晴らしいことですが、課題も指摘されています。一番の問題は、歴史的な建物が点在していて、まとまった景観が形成されていないことです。
また、藤沢駅北口一帯への投資が多く、偏りを感じます。最近だけで、市役所本庁舎、Fプレイス、ふじさわ宿交流館とハコモノの建設が相次いでいます。

登録有形文化財は、「重要文化財」、さらには「国宝」と比べて、補助がわずかな代わりに規制が緩やかです。市内には、19か所ありますが、羽鳥の「旧三觜家住宅」のように、保存が厳しいケースが出てきています。
藤沢市は、貴重な文化財が、街並み継承地区にあったことから、買い上げに至ったとしていますが、それぞれの文化財をどう保存していくか、地元住民を含めた計画をつくる必要があると思います。

また議会の議決を経ずに迅速な判断が必要だったとはいえ、土地開発公社が先行取得したことも、やや唐突に感じます。土地開発公社は、公共事業が盛りだくさんで、土地の価格が右肩上がりだった時代、機動的な土地の取得を目的に活用されました。しかしいま、全国的に解散する公社が増えていて、公社のあり方も問われています。

藤沢宿

旧桔梗屋

藤沢市議会議員 清水竜太郎
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