藤沢市が発表した2020年12月の新型コロナウイルスの感染者は、310人となりました。最も多かった11月の2倍となるなど冬場の感染拡大が深刻化しています。これまでの発表も783人に上ります。
今月の上旬は、全世代にわたって感染が多かったのですが、下旬をみますと「20代から30代」が、30%から41%に上昇しています。
一方で感染者のほとんどが軽症で、家庭での感染を考えれば、重症化しやすいお年寄りにうつさないことが大事です。
藤沢市の発表では、▲重症患者はいませんが、▲中等症は6人、▲82人の軽症の患者のうち、入院しているのは16人です。亡くなった方は5人に増えています。
神奈川県の平均陽性率は11.97%に急上昇しています。重症患者向けのベッドの使用率は30.5%ですが、すぐに使えるベッドで計算すれば69.3%になります。
いま感染の急拡大で医療崩壊が懸念される中、医療体制の課題を指摘する専門家もいます。日本は、医療従事者の数に比べて病院の数が多いため、専門医が分散しており、集約する必要があるというのです。
厚生労働省によりますと日本の医師の数は32万人で、病院が8200あるほか、クリニックなど診療所が10万以上あります。
今回のコロナ危機で、急性期の病棟をもつ医療機関のうち、新型コロナの患者を受け入れたのは30%に過ぎません。そしてベッドが多い大きな病院ほど、患者を受け入れる割合が高くなっています。
厚生労働省も、医療体制の効率化をめざす地域医療構想を推進しています。藤沢市は、茅ケ崎市と寒川町とともに「湘南東部医療圏域」をつくっています。病院が20あるほか、ベッドをもつ診療所が16あります。ベッドは4000床に上り、半分以上が急性期向けです。
病院経営のコンサルティング会社は、病院をひっ迫させない対策として、イギリスのように医師や医療機器を集約化して、専門施設をつくるよう提案しています。
実際、大阪では、一時期、市立病院が中等症の専門病院になりましたし、看護師を集めるのに苦労した「大阪コロナ重症センター」も始動しています。
新しい年を迎えましたが、みなさん、命を守りましょう。命さえあればまた立ち上がれます。