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東日本大震災の前震

東日本大震災では、本震とよばれるマグニチュード9の地震が起きる前、大小の地震が起きていたことは忘れられがちです。
わたしは、前震が頻繁に起きたことが本震での避難行動に影響を与えたのではないかと考えています。

内閣府が実施したアンケート調査によりますと逃げ遅れた理由として、「避難した後、自宅に戻った」という答えがあります。
その内容をみてみますと「防寒服や貴重品を取りに戻った」、「赤ちゃんのおむつを取りに戻った」、「飼い犬を助けに戻った」などが挙げられています。

前震の際、避難を繰り返した住民の方々もいます。例えば、避難先で寒い思いをした経験から、防寒服が必要だと考えた方も多かったのではないかと推察できます。

前震として規模の大きかったのは、2日前の3月9日に発生したマグニチュード7.3の地震と前の日に起きたマグニチュード6.8の地震です。
当時はテレビ局のデスクとして何度も原稿を書いていたので、この間、どれだけ前震が頻発していたのかよく覚えています。
また過去に起きたチリ地震の経験だったり、警報に対する認識の違いから、避難した人と避難しなかった人に分かれたのも大きな特徴です。

いまのコロナ危機での「慣れ」にも通じますが、過去の経験に依拠しすぎてしまうと判断を誤ってしまう危険性を強く感じます。

避難して助かった方々の答えでは、「地震イコール津波だと考えていた」、「日ごろから避難の準備をしていた」、「川の水が引いた」、「家族がそれぞれ避難する津波てんでんこの考えがあった」などが挙げられています。

その一方、避難する意識がなかったにも関わらず、行政の呼びかけや、近所の呼びかけを受けて避難した方々もいます。特に「通りがかりの人の呼びかけで逃げた」という答えからは、「率先避難者」の重要性が判ります。

さらに避難を呼びかける「伝え方」の難しさも感じてきました。津波の場合ですが、▲「津波注意報」では、20センチ以上、1メートル以下の高さが想定され、海岸から離れなくてはいけません。数十センチの高さでも、前進するのが困難だと言われています。
ただ「注意報」と「警報」では、雲泥の差があります。▲「津波警報」は、3メートル以下の高さが想定され、ただちに安全な場所に避難しなければなりません。「警報」が出されれば、私の感覚では、天地がひっくり返る一大事です。ましてやそれより巨大な▲「大津波警報」なら尚更です。

どうか、過去の経験に縛られて、これなら安心と思わないでください。自宅に戻るようなことはせず、躊躇なく逃げてください。そしてより高い場所に避難してください。

東日本大震災

 

藤沢市議会議員 清水竜太郎
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