元藤沢市議会議員 清水竜太郎 オフィシャルサイト

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医療体制の増強と集団接種に特化を 藤沢市議会一般質問

9月議会の一般質問で新型コロナ対策について藤沢市の考えを質しました。1年前の一般質問では、「藤沢市は保健所政令市なのだからもっとリーダシップを発揮してほしい」と訴えましたが、いまもその思いは変わりません。何が何でも感染を減らすんだという意気込みがあまり感じられなかったというのが率直な思いです。

(医療提供体制の増強に「二次医療圏」の活用を)
ワクチンの接種がさらに進めば好転もあるかと思いますが、冬の「第6波」に向けた体制作りが急務です。まずは医療提供体制を増強することが何よりも求められます。神奈川県は、この冬の「第3波」での医療ひっ迫を受けて、最大確保病床を2割近く、1790床に増やしました。このうち重症向けは199床です。

しかし、果たしてこれで足りるのか不安が付きまといました。今回の「第5波」で不安は現実になり、医療のひっ迫が続いています。重症の入院は、199床を超えて一時260人に達しました。中等症も同じで、入院が一時1400人を超えました。県は懸命のやりくりで、重症向けは300床近く、中等症向けは1900床近くまで病床を増やしました。それでも入院自体が難しく搬送先もないケースが続いています。

なぜ日本では、病床を増やしたり、臨時施設をつくって医師らを派遣できないのか。日本は民間の中小医療機関が多く、専門医が分散しているなど理由が指摘されていますが、藤沢市の医師会は、「コロナ以外の治療との兼ね合いもある」と話します。病床を増やすにはこうした個々の事情をくみ取る必要があるのではないかと考えます。

「神奈川モデル」に従って県が個別に協力を求めていますが、上からの要請だけでは限界があるのではないかと察します。そこで身近で機動力もある「二次医療圏」を活用できないかと考えます。「二次医療圏」は、日ごろから適切な医療体制について模索する制度です。長野県の「松本モデル」を推進したのは、松本市などでつくる「二次医療圏」です。

神奈川県には11ブロックあり、「湘南東部」は、藤沢市や茅ケ崎市、寒川町で構成します。福井県は、臨時施設をつくったことで注目されていますが、その人口は「湘南東部」とほぼ同じです。藤沢市が率先して「二次医療圏」に協力を呼びかけ、人材を集めることで臨時施設をつくれないかと提案しました。

これに対して藤沢市は、「通常の外来診療や緊急医療の対応なども継続することを前提に各医療機関が役割を担っている。県の医療提供体制については、現時点でも医療資源に最も適した単位で構築されている」と答えました。

(家族向けのホテル提供を)
本来ならば入院すべきなのに病床が足りず、自宅療養している患者は多く、一時400人以上に上りました。藤沢市でも医師と看護師が連携して、電話やオンライン診療を行ない、必要な場合は訪問も行なっています。ただ家庭内感染が増える中、陽性となった患者本人ではなく、同居している家族のうち、希望する方については藤沢市がホテルなどを借りて利用してもらえばいいのではないか、と質問しました。

藤沢市は、「感染が多いときは、健康観察や訪問看護を行なう看護師が8人、オンライン診療を行なう医師が2人で対応してきた。同居の方、濃厚接触者がホテルを利用するのは、隔離の観点から一定の効果があるが、ホテルへの移動手段や中での感染対策、体調が変化したときの対応など課題が多く、現実的ではない」と答えました。

(保健所の体制強化を)
藤沢市は、今年度から保健所を福祉部門から切り離し、新たな「健康医療部」に組み替えました。去年の6月議会の一般質問で、保健所機能のうち、感染症や災害対策がお座なりになったことや、保健師ら専門職の不足が露呈したとして、恒常的な保健所の体制強化を求めたほか、感染症部門を福祉部門から切り離して、防災部門に組み入れるよう提案しました。

このような形で保健所の感染症部門が専門性の高い組織になったことは評価しますが、人員がどうなったのか質問しました。この夏も感染が急増してから応援を派遣するなど、対応の遅さが改善されていません。保健師など応援は、その度ごとではなく、リスト化して、あらかじめ準備し、数値基準をもって早めに派遣すべきだと指摘しました。

藤沢市は、「健康医療推進体制の充実のため3人の増員、感染症対策としてワクチン業務含めて18人の増員を行ない、7月から新たに11人増員して対応してきた。しかし急激な感染に対応するため、9月中旬から全庁を挙げた応援体制を構築し、新たに各部局から96人を兼務発令した。今後の更なる感染増加に備えるための健康危機体制の構築を現在検討している」と答えました。

(集団接種に特化を)
藤沢市の2回目のワクチン接種率は、現在4割まで引き上げられましたが、ほかの自治体に水を開けられています。藤沢市は、個別と集団接種の両方を採用していますが、もっと会場を増やして集団接種に特化する、比重を移すべきだと提案しました。

個別接種は、かかりつけ医がいるお年寄りにとっては便利です。時間はかかりましたが、着実にお年寄りへの接種を勧めたのは間違いではなかったと思います。しかし若い世代は別です。かかりつけ医がいない若い世代にとっては、予約方法も接種場所も一元化した方が便利です。どこの医療機関にワクチンがあって、受付しているか分からないような個別接種より効率的です。

東京・墨田区は集団接種が柱で、体育館や民間のホテルなど8か所を中心に7つの病院が対応しています。予約状況は、災害情報のくくりでツイッターで提供されていて、接種率は現在66%に達しています。藤沢市の計画では、まだ個別接種は集団接種の倍の回数となっています。

これについて藤沢市は、「ワクチン供給が減ったため、一時集団接種の予約を休止したが、9月から再開し、夜間帯の実施など接種回数の増加に取り組んだ。医療従事者には、第5波の厳しい中、検査や受診対応を行ないながら接種を行なってもらっている。接種会場については、医療従事者の負担にならないようにしながら、一定の集約や効率化を図っている」と答えました。

(リバウンド予防に検査の拡充を)
藤沢市は、これまで限定的なPCR検査も消極的ですが、政府の分科会もリバウンド時期の検査は有効だと指摘しています。自治体の持つ武器は案外と限られているので、今こそすべての武器を使うときだと訴えました。

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