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「過大規模」学校の課題

藤沢市教育委員会は、学校の適正規模に関する基本方針の素案をまとめました。その中で2040年の時点でも辻堂小学校が「過大規模」になると想定しています。

この基本方針は、人口が減少していく中、市内で児童生徒数が増えていく学校と減っていく学校があることから、適正な規模や配置について考えていこうと策定しているものです。規模については、小中学校ともに12から24学級が「適正規模」としていて、31学級以上だと「過大規模」、小学校ですと1から5学級、中学校では1から2学級が「過小規模」となります。

この目安に沿うと現在、「過大規模」が、▲鵠洋小学校と▲辻堂小学校となっているほか、「大規模」が、▲羽鳥小学校など5校となっています。逆に「過小規模」はありませんが、「小規模」が、▲大清水中学校や▲中里小学校など4校となっています。

教育委員会では、今後の推移をまとめた結果、2040年の時点で、▲辻堂小学校が「過大規模」になるほか、4つの小学校が「大規模」になると予測しています。その一方で、2つの小学校と9つの中学校が、「小規模」になる可能性があるとしています。中学校は19校のうち、半分近くが「小規模」になってしまう計算です。

2025年から2030年が推移のピークとみられていて、小学校では、2025年時点で、▲辻堂小学校と▲鵠洋小学校のほか、▲六会小学校と▲鵠沼小学校が「過大規模」になると予測しています。

適正規模の基準として他には、通学の距離を挙げていて、小学校で片道2キロ以内、中学校で片道3キロ以内としています。さらに安全性や境界など通学区域も考慮しています。

こうした「過大規模」を解消しようと教育委員会では、特別教室を転用したり、仮設校舎をつくるなど対応してきましたが、今後の段階的な少人数学級への移行や特別支援学級の全校設置を考えますと限界に来ています。

子ども文教委員会での質疑で、教育委員会は、「児童生徒が減少していくことを考えれば、学校の新設は難しい」と答える一方、「近くに活用できる場所を確保できれば、一時的な対応として分校も検討できる」としています。

分校とは、本校の所在地とは別の場所に設置されるもので、最近では横浜市の鶴見区に市場小学校けやき分校が開校しています。1年生から4年生までが本校に通い、5年生と6年生が近くの分校に通っています。一時的な児童の増加に対応するためで、暫定的に10年間運用するとしています。

わたし個人は、校庭や校舎のあり方も検証の時期に来ていると思っています。いま「広い校庭校舎」をもつ学校に対して、様々な形で利用したいという要望が地域から寄せられています。ただ管理責任は学校にあるだけに、学校側も四苦八苦しています。

今回の素案ではまた、隣接する小中学校を統合することで、よりよい教育を実現する小中一貫教育の検討が明記されました。小中一貫教育では、9年間の枠組みを自治体の判断で変えることで、教科ごとに担任が代わる中学校の教科担任制を早くから取り入れるなど、柔軟な教え方が可能になります。

先進地として知られる京都市では、中学校区ごとに小中学校の教師が連携して、一貫した学習指導を実施しています。

これについて藤沢市教育委員会は、「適正配置を進める有効なひとつの手段だと考えるが、可能性の一つだ。導入に際しては、目的や意義、課題を重視していく。保護者や地域住民、教職員の理解を求めていく必要がある」としています。

小中一貫教育には賛否があるようですが、学力向上にも成果が出ているということなので、選択肢の一つとして注目すべき制度だと思います。

過大規模

藤沢市議会議員 清水竜太郎
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