トンガの火山島で起きた大噴火で、気象庁は太平洋側を中心に幅広い範囲に津波注意報を出しました。藤沢市を含む相模湾にも注意報が出されましたが、けが人など被害はなかったということです。
今回は、奄美大島や岩手県で警報も出されました。奄美大島と岩手県では1メートルを超える津波が観測されました。予想される高さが、「1メートルを超え、3メートル以下」とされる警報がそのまま当たった形となりました。
藤沢市に出された注意報で予想される高さは「20センチ以上、1メートル以下」となっています。津波は予想の高さを超えることもありますし、何度も押し寄せます。観測された津波の高さは、確かに注意報の予想の範囲内に収まりましたが、観測所によって高さがまちまちなのには驚きました。
神奈川県内で見ますと▲三浦市の三崎漁港で16日午前3時1分に40センチ、▲油壷で午前3時21分に30センチとなっています。
ところが▲静岡市清水港や▲名古屋港で20センチだったのに、▲千葉県館山市が50センチ、▲茨城県大洗港が60センチ、▲仙台港が70センチと北に行くほど高くなるのかと思いきや、高知県や和歌山県では90センチを観測するなど異なっています。
津波注意報と警報のもつ重みはやはり違うものですが、今回のケースをみると注意報だからといって決して侮れないなと深く反省しました。
専門家は今回の噴火による津波は、気圧の変化で起きる「空振」によるものではないかと説明しています。地震で言うところの震源が遠くても、新型コロナのまん延と同じく、地球はつながっているのだと強く感じました。
2004年にスマトラ島沖で起きた巨大地震によるインド洋大津波では、東南アジアからアフリカ東部まで津波が押し寄せ、22万人が犠牲となっています。今回の津波は、準備の時間がありましたが、震源が近海の場合、時間はありません。警報はもちろん、注意報が出た場合、海岸や川の河口からすぐに離れる、そして、可能な限り高いところに逃げるか海岸から遠く離れたところに逃げてください。決して立ち止まったり、引き返さないようお願いします。