藤沢駅南口にある商業施設、名店ビル、ダイヤモンドビル、そしてプライムビルが一体化して17階建てのビルに建て替えられることになり、計画案の住民説明会に参加してきました。
ビルは建設から50年以上が経ち、耐震性の不足も明らかになっていて、建て替えが急がれていました。権利者らでつくる組合が計画づくりを進めてきましたが、このほど計画案がまとまり説明会が開かれたものです。
それによりますと新しいビルは、商業、事務所、及び宿泊用で、敷地面積は3180平方メートル、高さが80メートルの17階建てを計画しています。地下が駐輪場などで、▲1階から6階までに店舗が入るほか、▲7階から10階までが事務所、▲12階から17階まではホテルを想定していて、12階部分には多目的ホールを設ける考えです。手続きが順調に進めば、2025年度に工事に着工して2029年度に完成する予定です。
計画案では「まちづくりの目標」として「都市拠点にふさわしい都市機能の集積」、「駅前にふさわしい一体的な都市環境と良好な市街地環境の形成」を掲げています。その上で方針として、「安全安心な市街地の形成」、「駅前交通環境の改善」、「駅前再生の核となる都市機能の強化」、「駅前の顔や地域の活力をつくる街並みの形成」に取り組むとしています。
イメージ図を見ると分かるように地下通路につながるビルの西側一帯は、「サンクン広場」と呼ばれる一段低い空間になります。さらに歩行者が歩きやすいようにビルに接する西側と南側の歩道を広げたいとしています。駅前の広場と共に市民の憩いの場になるよう整備したい狙いです。
周辺環境への影響については、交通については主要交差点での利用率も処理可能範囲であり、高建築による日照の問題も法律で定める範囲内になるとしています。
老朽化したいまの建物については地震への備えから早急な対応が求められていて、駅前という公共性の高い空間である点を踏まえれば、藤沢市が支援してでも建て替えを後押しするよう求めてきました。開けた空を守りたい思いから、それなりの高さがある点は気になりますが、何よりも建て替えに踏み切ったことに期待が膨らみます。
とくに駅前全体の「まちづくり」を大切にしている点を高く評価しています。わたしは美術館を兼ねた湘南の玄関口にふさわしい駅舎と人と自然を優先した大規模な公園広場をつくるよう提案してきました。そのためには周辺の商業施設を含めた一体的な街並み形成が欠かせません。今回姿が明らかになった新しいビルがこうした藤沢駅前の「まちづくり」をけん引し、藤沢の価値が高まり、再活性化につながればと強く願います。