藤沢市などの調べで対策が必要とされた昨年度の「危険な通学路」が96か所に及ぶことが判りました。前の年度の4倍に上っています。
藤沢市はこうした小学生の通学路について、神奈川県と警察と共に毎年、合同点検を実施して対策を講じています。昨年度は、千葉県八街市での死亡事故を受けてこれまで事故に至らなくても危険性があるところや保護者や地域から改善要請があったところもリスト化するよう国から求められています。
藤沢市などは当初167か所をリストとして挙げていましたが、このうち96か所を対策が必要としてまとめました。学校別では、▲明治小学校が最も多い10か所、▲六会と中里小学校が9か所、▲高谷小学校が5か所などとなっています。
対策の主体は警察と藤沢市がおよそ半々ずつで、▲「対策済み」が38か所、▲「一部が対策済み、実施予定」が39か所、▲「継続協議」が19か所となっています。危険な通学路の現状としては、「道路の幅が狭い」、「交通量が多い」、「スピードが上がりやすい」、「横断歩道や停止線の表示が消えかかってる」などの課題が多くみられます。
これに対して実施済みの対策としては、「注意喚起シール」の設置が5件、「速度を落とせ」の設置が4件で、残りは「車道と歩道を分けるグリーンベルト」や「衝突を回避するポール」の設置、「スクールゾーンの設定」などとなっています。具体的な対策の内容が書かれていないものも6件あります。
道路の拡幅もすぐには実現できない中、例えばガードレールの設置が難しいことは理解できます。しかしほとんどの対策は、ドライバーの注意を促す対策ばかりで、スピードを落とさざるを得ないような対策がないことに失望します。藤沢市は、わたしが提案する「ハンプ」や「狭さく」の導入には住民の理解が必要なことから否定的ですが、構造的な対策こそが必要だと思います。