6月議会の一般質問で藤沢市が誇る市民オペラについて、「創作オペラ」に挑戦することを提案しました。
藤沢市は市民オペラの発祥地として知られます。50年にわたって指揮と独唱はプロ、合唱と交響団は一般市民が担って、いまでは藤沢市の「公共財」ともいえる文化となっています。この春も「ナブッコ」の公演を成功させ、高い水準の市民オペラとして評価されました。
藤沢市は市民オペラの位置づけについて、「プロと市民が一つになって作品を作り上げていく共創の理念に資するものであり、藤沢市が誇るべき芸術文化として継続していくべきものだ」と答えました。
また新しい市民会館ホールのあり方について、市民オペラを文化芸術の核に据えたいのであれば、駅前でなく今の場所につくるなら、オペラ向けにある程度特化した方がいい、オペラハウスとしての機能を備えた方がいい。さらに市民が集う居場所はホールではなく、図書館こそが担うべきであり、ホールは公民館の延長ではなく、文化芸術をつくる「劇場」に変わるべきだと指摘しました。
これに対して藤沢市は、「ホールは市民のさまざまな用途に応えることができる機能が必要であり、極端な特徴をもつと利用者が限られてしまう。市民オペラをはじめとする音楽事業に適した機能を導入すると共にそれ以外の用途にも使えるよう配慮していきたい」と答えました。
さらに全国的に市民オペラが普及してきて、海外の古典ではなく、地元の歴史を題材にした手作りの「創作オペラ」に挑む自治体が増えてきており、藤沢市も鎌倉市と共に源平合戦や鵠沼にも住んでいた「日本のシンドラー」、元外交官の杉原千畝氏など一級の題材があります。藤沢市もさらなる発展のために創作オペラに挑むときなのではないか、新しいホールの開館に合わせて選択肢の一つに入れたらどうかと質しました。
藤沢市は「1979年に創作オペラを市民会館10周年の節目に公演している。制作には多くの時間や労力がかかったことが記録から伺われる。作品は制作委員会で決定されるが、可能性もあると捉えている。最近の事例を含めてみらい創造財団と研究していく」と答えました。