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事前調整型の経営破たん

経営の神様と慕われた稲盛和夫氏といえば、晩年に経営破たんした日本航空の再建に尽力したことは記憶に新しいところです。

日本航空の破たんを語る上で、アメリカの自動車大手ゼネラル・モーターズの破たんは欠かせません。日米の両社とも事前調整型の破たん処理を行なった好例だからです。リーマンショックで経営が悪化した大手銀行など「大きすぎてつぶせない」企業に対して、政府が公的支援を実施しました。当時のオバマ政権は、公的資金を入れて破たんはさせないだろうと思われましたが、連邦破産法11条=チャプター11を適用してGMは破たんしたのです。

チャプター11は、日本の民事再生法や会社更生法に似ていると指摘され、清算ではなく再建をめざす破たん処理です。再建の大枠について関係者があらかじめ話し合う事前調整型の破たんと言われます。どこまで債権を放棄するか、どこまで人員の削減を行なうのかなど固めておくわけです。ぎりぎりの交渉ですが、本当に会社がなくなってしまっては元も子もないため、妥協が図られやすいのが特徴です。

日本航空が会社更生法を申請した際、GMのチャプター11の活用から学んだのかなと感じました。親方日の丸体質だった日本航空は、政府からの公的支援もあり、赤字路線からの撤退や人件費の削減などに取り組み、再建を果たします。

一方のチャプター11はアメリカン航空などとくに航空業界で適用され、コストの削減に使われる使い勝手の良い手段にされたきらいがあります。本当に会社が倒れるくらいなら、痛みを分かち合うしかないという論法です。

巨額の財政赤字を放置したまま、財政拡大を続けるいまの日本の姿をみるにつけ、将来的な事前調整型の破たんも許容範囲だと考えているのではないかと勘繰ってしまいます。まさかとは思いますが、いざとなれば国民が痛みをかぶればよい、それまでは使えるだけ使おう、借りるだけ借りようではだめです。チャプター11的な手法がまかり通るのは困りものだと思います。

経営破たん

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