ミサイル攻撃を受けたとき、身を守るため緊急的に避難できる「緊急一時避難施設」が、藤沢市内には62か所ありますが、避難先として有効とされる地下施設については湘南台駅の4か所にとどまっています。
ロシアによるウクライナ侵攻や北朝鮮からの弾道ミサイルの発射など安全保障への関心が高まっています。政府は国民保護法によって、地下施設など緊急一時避難施設を指定するよう各都道府県や政令指定都市に呼びかけています。
しかし地下施設については、大都市に限られるため指定はわずかです。最近では7月に横浜市が、市営地下鉄のうち横浜市内の地下駅舎33か所と横浜高速鉄道が管理するみなとみらい線の地下駅舎5か所を指定したばかりです。
藤沢市危機管理課によりますと市内で指定されているのは、▲市民会館の建物部分のほか、▲35の小学校と19の中学校すべて、そして3つの県立高校で、いずれも校舎などが鉄筋コンクリートで建てられています。そして9月には小田急電鉄、相模鉄道、それに横浜市営地下鉄の3つの湘南台駅のほか、藤沢市が管理する湘南台駅地下公共施設が指定を受けました。
緊急一時避難施設は、ミサイル攻撃などで起こる爆風などから被害を軽減するためのもので、地下鉄の駅舎のほか、地下街やコンクリート造りの堅ろうな建物が想定されています。
危機管理課としては、藤沢や辻堂、湘南台駅周辺など中心街への対策がとくに必要だとして、公共施設に限らない民間施設の指定についても神奈川県に検討してほしい考えです。実際、県内では川崎市が地下街である「川崎アザリア」を指定しています。
安全保障については外交努力が大前提ですが、いざというときの備えもしなければなりません。ミサイル攻撃ともなれば、やはり地下施設が重要なので、市街地では、デパートなど商業施設の地下も活用すべきだと思います。今後、大型の施設を建てる場合、地下施設もつくり、補助していく方法も考えられます。一方で、住宅街では対応が難しいのが現実です。各学校に地下施設をつくるのも手ですが、どこまでやるべきなのか議論が必要です。