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大阪・泉南市 民間が建設運営の海岸公園

建設経済委員会の視察で大阪府泉南市にある人工海岸を備える公園を訪れました。この公園は、泉南りんくう公園・通称「センナン・ロングパーク」で、海岸の長さは2キロあります。大阪市から車で1時間、和歌山市から30分弱で、人工島となっている関西空港のちょうど対岸に位置しています。

関西空港の対岸に位置する沿岸部は埋め立てられ、3自治体が絡む「りんくうタウン」として開発が進められています。橋で空港と結ばれている泉佐野市が先行していて、すでにホテルなどが入った超高層ビルやアウトレット施設、それにスケートリンクなどが整備されています。

泉南市は、空き地だったりんくう公園の土地を活用しようと民間の力を借りることにしました。海岸を活かした観光やスポーツなどの拠点にするのが目的で、周辺都市だけでなく、空港からの外国人観光客を呼び込み戦略です。泉南市では民間のノウハウを使うPFI事業として、事業者を公募し、大和ハウス系の会社が整備と運営を担当しています。

泉南市のケースが興味深いのは、土地を無償で貸し出している点です。公園の土地はもともと大阪府のものでしたが、泉南市が大阪府から無償で借り受けた上で、さらに会社に無償で貸し出しているのです。会社は公園を整備し、商業施設を建て、いまは運営を行なっています。施設の固定資産税と都市計画税が10年間なしですが、泉南市が負担する費用は一切派生しません。会社はテナントからの収入や公園施設の利用料金などから利益を出す仕組みです。

会社は海岸から眺める夕日を最大の売りにしていて、4つの機能にゾーン分けしています。▲アクティビティエリアは、マリンスポーツを楽しめるビーチのほかスケートボートやミニバスケができる施設や温泉があります。▲コミュニティエリアは、カフェや中華、イタリアン料理など6つの外食店が並んでいます。▲マルシェエリアは、文字通り地元の新鮮な魚を売る市場を開いています。▲グランピングエリアは、テントや食事などが整えられたキャンプ場で、コロナの影響で人気が高まっています。

オープンから2年となりますが、コロナ危機で夏の海水浴も中止となり、インバウンドもなくなったため、計画通りとはいきません。しかし年間で120万人から160万人が訪れています。

公共性への配慮もあってか、商業施設も思ったより控えめで、あくまで海岸が主役というつくりになっているなと感じました。ただ土地を無償で貸し出すことで、民間が費用負担なく建設運営してくれるモデルは凄いの一言です。

人工島の関西空港の対岸という構造は、江の島の対岸である片瀬と鵠沼の海岸に似ています。藤沢市も人気の水族館やスケートパークがありますが、有機的なつながりは余り感じられません。また夏の海水浴場をめぐっては一時のクラブ化はなくなりましたが、ファミリー層が来たいビーチをめざす近隣自治体とは趣が異なります。神奈川県が管轄する海岸公園を含めた海岸全体のあり方を見直して、ファミリー層主体のビーチに変わるときだと思います。

今回の視察に際し、泉南市議会事務局および泉南市の担当者のみなさまに改めてお礼申し上げます。

センナン・ロングパーク

センナン・ロングパーク

センナン・ロングパーク

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