元藤沢市議会議員 清水竜太郎 オフィシャルサイト

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東京五輪の逗子マリーナ問題

藤沢・江の島が東京オリンピックのセーリング会場となる影響で、逗子市小坪の地元が揺れています。風光明媚な景観で名高い逗子マリーナの一角に高層ホテルを建設する構想が二年前、浮上したのです。

これを受けて地元住民らで作るグループが結成され、「オリンピックを理由にした開発は要らない。自然豊かな海辺の町を守りたい」として、構想に反対する活動を展開しています。グループでは、地元自治体に一万人を超える反対署名を提出するなど積極的な活動を繰り広げています。

この問題は、逗子市議会でも取り上げられるなど波紋が広がっています。逗子市には、建物の高さを20メートルに制限する条例があるため、高層ホテルを建てるには何らかの措置が必要となります。

一方、神奈川県は、大会の組織委員会に対して交通の便が良い「大磯プリンスホテル」を宿泊候補として提案しています。
オリンピックの会場となるのは名誉なことですが、神奈川県南部に住むわれわれは自然環境を大切にするという共通の価値観を持っているはずです。たった二週間のために藤沢市以外に住んでいる方にまで影響を与えてしまったら申し訳が立ちません。

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藤沢市における民泊

藤沢市西富にある「お宿・わた屋」は、古い蔵などを改修して営業しています。もともとは江戸時代から続くお店で、遊行寺に近い藤沢宿の宿屋として繁盛していましたが、40年間余り休んでいました。部屋は6つあり、料金も手ごろとあって、外国人の観光客にも人気です。

去年一年間の訪日外国人数は、2403万人で前の年より22%増加したのに対して、宿泊した外国人の人数はのべ7088万人で8%増加しました。訪日外国人の増加ほど、外国人の宿泊人数が伸びていないという不思議な結果になったのです。

報道各社は、大型のクルーズ船による来日が大幅に増えたほか、統計に表れない民泊の存在があると分析しています。民泊は東京など一部でしか営業が認められていません。しかし旅館業法で許可を得ていない民泊が増えていると推定されていて、大手のエアビーアンドビーによりますと去年一年間の利用者数は、370万人に激増しています。政府は、ホテル不足を解消するため、積極的な誘致を繰り広げていますが、需要が試算通り増えるのか分かりません。

民泊に関しては、近隣への騒音など問題も指摘されています。藤沢市で民泊という形がふさわしいのかは精査が必要です。
しかし鎌倉でも、古民家を利用した相部屋の宿・ゲストハウスが人気です。従来のホテルという形にとらわれない、空き家や古民家の利用こそ、湘南の街にふさわしいのではないかと考えます。

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藤沢市のホテル事情と課題

藤沢市は、ホテルの誘致を進めるため、容積率の緩和を図る考えです。容積率の緩和は、事実上、建物の高さを緩和するもので、客室数を増やすことができます。また、外国人観光客の増加によるホテル不足を解消するため、国が促進しているものです。

藤沢市としては、対象を藤沢駅、辻堂駅、そして湘南台駅周辺の商業地域を想定しています。原則として、ホテルを建てる場合、現在の容積率の1.5倍まで緩和したい考えです。例えば、容積率が400%で、半分がホテルになれば、建物の新しい容積率は500%になります。

藤沢市は緩和の要件として、ほかに災害時の帰宅困難者を受け入れる多目的ホールの設置などを挙げています。市内への年間の観光客数は1800万人に増加していて、宿泊客数も54万人に増加しています。ところが、市内のホテルの数は10施設で、宿泊施設の稼働率は78%に上がっています。このため税制上の優遇措置も取り入れて、ホテルの誘致を図っています。

ホテルの絶対数が足りない状況の改善は必要ですし、利益率が上がらなければホテルが進出しにくい事情も理解できます。ただデパートやマンションより高いホテルが建つことも考えられます。
駅前はその街の顔です。青い空が見える玄関づくりこそが人を呼び込みます。それが藤沢の価値だと信じます。異様に高い建物ができれば、本末転倒だと考えます。

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藤沢市の平成29年4月1日付「待機児童者数」

藤沢市は、4月1日付の待機児童者数を発表しました。それによりますと認可保育所などへの入所を希望した7100人余りのうち、希望が通った人数は6500人余りで、希望が通らなかった人数は611人となりました。これは去年と比べて、199人少ない人数です。

希望が通らなかった611人のうち、一定の基準を満たした認可外保育所、いわゆる「藤沢型の認定保育所」を利用している人数が117人、補助を受けている認可外保育所の利用や企業の保育施設の利用が、それぞれ5人となっています。

残る484人のうち、私的な理由で、特定の保育所だけを希望しているケースが240人、求職活動を取りやめているケースが96人、そして育児休業を取っているケースが110人となっています。

国のこれまでの定義では、待機児童数は38人となり、去年より17人少なくなっています。ただ国は定義の見直しで、復職を希望しているのに育児休業を延長しているケースについては、今年度から待機児童数に含めることになったので、公式の待機児童数は148人となっています。
来年4月1日までの一年間の対応について、藤沢市は、6か所の認可保育園など合わせて579人の定員拡大を計画しています。

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ロードプライシング

鎌倉市は、有識者らでつくる委員会を中心に、新たな交通渋滞の解消策について話し合っています。
すでに実践されている「パークアンドライド」に加えて、中心街に進入するクルマに課金する「ロードプライシング」が議論の的になっています。シンガポールやロンドンなどでは導入されているそうですが、国内では事例がなく、まさに驚くべき取り組みです。

対策案では、土曜日と日曜日、それに祝日の日中が対象で、10か所程度の課金所を設け、高速道路のETCのようなシステムで徴収します。緊急車両や事業者などは対象にはなりませんが、住民は対象に含まれています。

一方、海外での対策として、去年夏、インドネシアのジャカルタで興味深い方法が始まりました。混雑が激しい平日の朝と夕方に限って、車のナンバープレートの末尾が偶数の場合は、その日が偶数のとき、逆に奇数の場合は、その日が奇数のとき、混雑する道路を通行できるというものです。

このように渋滞の解消策として、全面的な交通規制でなくても、一定の規制で対応することも考えられ、江の島周辺でも適応できるのではないかと思っています。

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藤沢市議会議員 清水竜太郎
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