藤沢市議会議員 清水竜太郎 オフィシャルサイト

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藤沢市2023年度の当初予算案

藤沢市の来年度(令和5年度)予算が賛成多数で可決成立しました。一般会計で1605億円余りで、今年度予算をやや下回りましたが、2年連続で過去最高規模です。

歳入の半分を占める市税は3.4%の増加を見込んでいます。2本柱の一つ、市民税は個人市民税が増えたため5.5%増えるほか、もう一つの柱、固定資産税が1.3%増えます。法人市民税は3割も増えます。

こうした自主財源とは違う依存財源は3割以上を占めていますが、6.7%の減少となっています。県支出金は4%増えますが、国庫支出金が2.9%減るほか、借金である市債が4割強減少します。

歳出は福祉など民生費が3割以上を占めもっとも多くなっています。主要な施策としては、▲産後ケアの訪問型の導入、▲中学生の医療費助成で所得制限を撤廃、▲胃がん検診の内視鏡検査で70歳以上の自己負担を無料化、▲善行保育園の再整備、▲善行長後線の整備、▲辻堂小学校の基本実施設計、▲村岡新駅周辺の整備、▲問い合わせ窓口を一本化するコンタクトセンターの設置などです。

介護保険など特別会計は1307億円余りで、4.8%の増加です。下水道事業が15.6%増えるためです。一般会計と合わせた市債の残高は1330億円余りで、残高はやや減少となっています。また貯金にあたる財政調整基金については今年度とほぼ同じ34億円を取り崩します。年度末時点での残高は94億円になる見込みです。

コロナ危機も収束の兆しが出てきている中、支出を増やす財政出動から支出を抑える財政規律の観点が大事になっていると思います。税収の伸びで、市債を減らせるのはよい流れだと思います。予算をかけるべきところはかけて、かけるべきではないところはかけないメリハリのある予算が大切です。

藤沢市2023年度の当初予算案

空き家問題の本丸に切り込む

藤沢市内でも空き家が増加して問題となっています。空き家については、特に倒壊の恐れがある物件を「特定空き家」に指定し、改善を求める制度がありますが、なかなか実効性が伴わないようです。

わたしも空き家が近所にあり、放置されて草木も伸び放題で怖いといったご意見をいただきます。藤沢市としてはその度に現地を訪れ、所有者に問い合わせなど行なっていますが、1年以上、寝泊まりをしていない状態であることが前提となります。また空き家を登録して、活用したい方とのマッチング制度もなかなかうまく進んでいません。

空き家が減らないのには大きな理由があります。それは建物を壊して更地にしてしまうと適用されていた固定資産税の減額措置がなくなってしまうのです。このため、固定資産税が高くなるのを防ぐため、空き家が放置されてしまうわけです。

わたしはこの点に着目して、藤沢市としても具体的な対策に取り組むよう提案してきましたが、藤沢市は消極的なままでした。これについて、最近、政府は管理が不十分な物件については、「管理不全空き家」に指定して、固定資産税の減額措置をなくすことを閣議決定しました。

これについて先の予算委員会で質問したところ、藤沢市は「市内の空き家は500件弱あるが、まだ管理不全空き家に関する基準が示されておらず、そのうちのごく一部になると思われる。特定空き家になるのを防ぐことが改正法案の趣旨だとすれば、適正管理に向けて効果が期待される」と答えました。

空き家問題の本丸に切り込むような法改正が期待される中、総務省が京都市が提案していた対策を認めたというニュースが流れてきました。利用されていない空き家や別荘などに税金を掛けようというもので、京都市ではすでに条例が成立しています。やはり自治体のアイディアひとつで対策が可能だといういい例で、先を越された思いです。

空き家問題

市立学校の民間プール施設の活用

藤沢市教育委員会は、老朽化が進む学校のプールを集約化したい考えです。その代わりとして民間のプールなどを授業で使った場合にかかる費用を算出しました。

小中学校などのプールは55施設ありますが、7割に当たる40施設が設置から40年以上経っていて老朽化が顕著です。中でも本町小学校や八松小学校、片瀬小学校などは50年以上が経っています。

教育委員会によりますと今後30年、これらのプールを維持管理していくためには1校あたり年間583万円かかるとしています。水道の料金をはじめ、塗装やろ過機の更新などです。その上ですべてのプールを改修していくのは困難だと指摘しています。

例えば民間のプールを使う場合、1学年・110人が同時に授業を受けるとして、授業は1年間で4回あると仮定します。小学校では6学年が4回使うとして、1回の使用料が2万円なので48万円かかるほか、高熱水費が1回あたり2万5000円なので60万円かかります。

このほか入場料は1人あたり200円なので、660人が4回通うと52万8000円かかります。補助員の配置や薬剤代も加えると合わせて216万円余りになります。また1回の指導料を5万円とすると120万円になります。これらを合わせると322万円余りに膨らみます。

市営を含むと市内にプールは15施設あり、移動のためのバスも借りなければなりません。1学年が移動するには3台必要で、1日あたり15万円かかります。1日に3往復すると8日借り上げることになり、さらに120万円加わわります。

民間プールを使う方がコストは抑えられそうです。コスト面だけでなく、プールの維持管理には教師があたっており、負担軽減にもつながります。また2か月間しか授業では使っていない実情もあります。一方で消防や災害用にプールの水を使う側面もあるほか、中学校では部活動もあります。

プールの集約化、廃止は全国的な流れで、致し方ないのではないかと思います。日本の学校はアメリカの都市部の学校と比べて校庭など施設が充実していて、恵まれているなと感じます。そもそも放課後にプール教室に通って水泳を習っている子どもも多く、学習指導要領で定められている授業のあり方も見直す時期に来ているように思います。

教育委員会では、集約化に伴って学校同士で共同で授業を行なう手法も検討していて、学校外のプールの活用と共に来年度に実証実験に取り組みます。

市立学校の民間プール施設の活用

産後ケアを拡充へ 藤沢市

産後の母親の孤立を防ぎ、心身ともにケアする「産後ケア」について、藤沢市は訪問型を加えるなど事業の拡充を図ります。

産後ケアは原則としておおむね産後4か月の母と子が対象で、助産師のもとで育児や健康面で相談したり、子を預けたりできます。サービスとしては、▲母と子が一緒に宿泊できるショートステイ、▲日帰りでケアを受けられるデイサービスがあります。

去年夏の段階で、ショートステイは4か所で行なわれていて、場所は本鵠沼の宮川医院のほかは茅ヶ崎市と大和市になります。利用の自己負担額は1日あたり9000円で、1泊2日の場合は1万8000円です。

デイサービスは7か所で、宮川医院のほかは茅ヶ崎市と寒川町にあります。利用の負担額は3時間が3000円で、6時間が4800円です。藤沢市は、移動が大変な方のために新たに訪問型であるアウトリーチ事業も行ないます。

藤沢市では、7枚つづりの利用券を組み合わせて使うことになっていて、1日の利用には1枚使える仕組みです。

今年度から本格的に初めたそれぞれのサービスの利用回数は、1月末時点で、▲ショートステイがのべ96回、▲デイサービスがのべ91回となっています。

産後ケアは、都内に住むわたしの知人も利用したことがあり、助けられたと話していました。利用に際しての自己負担額については自治体によりさまざまで、とくにショートステイについては、渋谷区や世田谷区、横浜市などと比べて差が出ています。藤沢市のアンケート調査でも6割が高いと答えているということです。

産後ケア

鵠沼市民センター・公民館の再整備の課題

藤沢市は、老朽化している現在の鵠沼市民センター公民館について、津波対策上、課題が多いことを明らかにしました。

鵠沼市民センター公民館は、もともと公民館として1981年に建てられ、20年前には新館が東側に作られました。建物は2階建てで、耐震補強も施されています。老朽化が激しいことから、藤沢市は建て替えを計画していて、来年度は住民との意見交換を行ない、再来年度には基本構想をつくります。その後、基本設計と実施設計を完了し、2027年度から工事に入りたい考えです。新しい施設は2029年度中のオープンを予定しています。

鵠沼市民センター公民館の場所は、津波が襲ってきたとき、基準水位が3.4メートルとされています。屋上の高さは8.2メートルで、面積は500平方メートル余りで、単純計算でおよそ920人が避難できます。ところが、屋上の耐えられる重量を考えるとおよそ270人が限度となります。藤沢市としては過剰な避難はリスクになりかねないと指摘しています。また防災拠点としての機能も消失してしまうとしています。

施設周辺の人口は、鵠沼海岸2丁目は1900人余りで、3丁目は1500人余りで、合わせると3500人です。藤沢市としては避難ビルの確保をしていて、2丁目の海側に5棟、2400人余り、3丁目の小田急線側に2棟、600人余りを収容できます。5丁目にも5棟、2500人余りを収容できますが少し距離があり、全体として余裕がある状態とは言えません。

郷土づくり推進会議が実施したアンケート調査によりますと建て替えに肯定的な意見は9割に上りました。望ましい施設として、津波対策を挙げたのが3割に達します。肯定的意見の中には、場所の移転を条件にしているものもあります。藤沢市の公民館と市民センターは、他の自治体に比べてかなり立派な点が課題でもありますが、鵠沼の場合は利用も活発で、津波対策の拠点にもなることからそれなりに充実した施設が求められます。

鵠沼市民センター公民館

 

藤沢市議会議員 清水竜太郎
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