元藤沢市議会議員 清水竜太郎 オフィシャルサイト

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真鶴町のリコールに見る市民活動

神奈川県の真鶴町は風光明媚で有名ですが、いま町政が混乱しています。市民グループが町長の解職請求・リコールを求めて必要な署名を集め、来月24日に住民投票が行われる予定です。

発端は現職の町長がまだ職員だったとき、選挙人名簿を不正にコピーして持ち出して、選挙に利用したというものです。町長はおととし一旦辞職しましたが、いわゆる出直し選挙に急きょ立候補して再選されました。

これに対して市民グループがたちあがりました。リコールに向けた署名活動を開始し、2400人を超える署名を提出しました。町の選挙管理委員会は有権者の3分の1を超える2350人分を有効と認め、住民投票が行われることになりました。投票の過半数が賛成すれば、町長は失職します。

わたしも地方政治にかかわってきて、環境、教育、都市計画など様々な問題について提起してきました。市民の方々から賛同もいただきましたが、わたしの力不足もあり、なかなかまとまった動きには至りませんでした。まちの規模が大きくなればなるほど声を上げるのは難しい面があります。しかし小さければ小さいほど逆に難しい面もあります。

同じ神奈川県の藤沢市にほど近い真鶴町で、リコール運動が行なわれ、市民が直接政治に関わろうとしていることに驚きました。何が市民グループを突き動かしているのか知りたくなり、元地方政治家として、またファクトチェックを行なうNPO「インファクト」のデスクとして「真鶴の未来をつくる会」の青木嚴会長をはじめ役員の方々にインタビューをお願いしました。※以下、敬称略。


清水:
リコールに向けた署名集めをはじめ、活動を始めることは大変だったと思いますが、最終的に住民投票ができる署名を集めることができました。活動はどのように進めていったのですか。

つくる会:
最初はここにいる役員ら5、6人で始めた。まずはリコールの仕組みが複雑なので説明するのが大変だった。分かりやすい説明をつけたチラシを作って、折込に入れてもらったほか、説明会を繰り返し開いた。
署名を集める期間は一か月しかないうえ、署名を集める「署名収集受任者」を募集しなければならない。200人程度が受任者になってくれたが、負担をかけるわけにはいかないので、何人集めるなどノルマはかさなかった。
署名集めも法律で細かく決められているので、しっかりと法律にのとって集めるよう徹底した。最初のころは集まりも良くはなかったが、一定の時間が経つと急速な広がりを見せていった。

清水:
活動はどのような思いで進められたのですか。

つくる会:
議会や警察などあらゆる手段に訴えてきたが、最後の手段がリコールだった。町民の声、メッセージを届けたいという思いしかない。それは、混乱を招いたいまの町長が辞めてほしいということだ。一連の不正にちゃんと向き合って反省してほしい。役場も大量の職員が辞めて、組織としておかしくなっている。公共サービスにも影響が出ている。いまの町長である限り町は新しく出発することができない。

清水:
問題があっても市民が立ち上がることはなかなかできません。みなさんのように立ち上がるのは貴重なことだと思いますが、一方でしがらみも強いのではないかと思いますがいかがですか。

つくる会:
政治的な分断を指摘する声も一部報道であるが、例えば地域での分断もない。われわれはあくまで市民派であり、町をよくしたいという気持ちが原点だ。このままでは教育にもよくない。子どもたちにいまの状況を説明することもできない。

清水:
真鶴町と言えば独自の景観条例がありますし、かつて湯河原町との合併を拒否したと聞いています。町としての自負が強いことも市民活動に関係しているのかと思いますがいかがですか。

つくる会:
町のアイデンティティが関係しているとは感じない。若い人たちは一旦、町を出て都会に出ることが多いが、多くが戻ってくる。豊かな自然などいまの真鶴町がいい、このままの町であってほしいという声が多い。そういう若い人たちが出身地を言いづらい思いをさせるのは申し訳ないことだ。いまの町の状況をそのまま受け渡すわけにはいかない。

清水:
これからどのように住民投票や町長選挙を迎えたいと思いますか、またどのような町をつくりたいですか。

つくる会:
この人を町長にしたいという候補はいるのかと聞かれることもあるが、われわれが関わることではない。われわれの目的は、もとの真鶴町に戻して、そこから出発し直すことだ。過疎対策とか重要な問題もあるが、それはわれわれの関わるところではない。

清水:

ありがとうございました。

 

政治はどうあるべきか、模索する日々ですが、神宮外苑の再開発をめぐる市民活動にはじまり、東海道線事故におけるネット上の情報拡散、そして真鶴町のリコール運動と立て続けに行動する市民の方々に出会うことができました。わたしは立ち上がった市民の方々の姿に感銘を受けると共に希望を取り戻した思いです。この度はお忙しいところをインタビューに応じてくださった「真鶴の未来をつくる会」の青木嚴会長をはじめ役員の方々にお礼申し上げます。

真鶴町

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