学生のころ、アメリカ人の友人が10歳年下の弟だと言って自慢気に写真を見せてくれました。聞けば、兄弟姉妹が10人以上いて、それぞれ父親や母親が異なるというのです。こうなると長男や長女など出生順序は、ほとんど意味がなくなります。
藤沢市議会で、婚姻届けを出していない男女から生まれた子どもへの差別をなくすための戸籍法の改正を求める意見書が可決し、採択されました。4年前、最高裁判所は、相続分をめぐる婚外子への差別を憲法違反と決定しました。しかし、出生届は今も婚外子を明確に分けているのです。
出生届の父母との続き柄を記入する欄には、嫡出子かどうかを質問しているほか、戸籍でも続き柄を記入する欄があり、婚外子は男女で記されています。こうした差別の撤廃を求めている方々は、「親の選択によって、子どもに影響を与えるのは耐えがたい」と話しています。兄弟姉妹の順序は、民法上、必要がなくなったほか、4人に一人が再婚であり、事実婚も増えています。家族の形は、多様化しているのです。
日本の婚外子の割合は2%ですが、アメリカでは40%で、そもそも戸籍自体が存在しません。今後の出生率の向上を考えるとき、婚外子に対する障壁を取り除くこともポイントになりそうです。