神戸市は、まちの中心部への高層マンション建設を規制しようと条例の改正を目指しています。
条例改正案では、三ノ宮駅近くについて、住宅の建設自体を禁じるほか、その周辺の元町駅から神戸駅にかけても、マンションの高さを制限します。神戸市としては、三ノ宮地区に商店とオフィスを集めることで、経済の活性化を図りたい考えです。
神戸市は、人口が減少していて、高層マンションの建設が活発な川崎市に抜かれて、政令指定都市の人口は、7位に後退しています。ところが、神戸市の久元市長は、「人口を増やすために、高層マンションを林立させる政策をとるべきではない。まちのこれまでの歩みや、特性を考えれば適切ではない」と話しています。
もちろん人口の減少に対する懸念は強く、高層マンションに対する規制には、批判も出ています。これに対して、久元市長は、高層マンションは、将来的には維持管理に問題があり、空き室の増加につながる恐れがあるとしています。また神戸市は、鉄道網が発展していて、中心部のみならず、周辺部を含めたバランスのとれた発展が可能だと指摘しています。
神戸市では、高層マンションの建設が相次いで、児童生徒が増え、学校の教室不足が問題となりました。このため、神戸市では、学校の受け入れ状況に合わせて、業者に対して、段階的な開発など協力を求めることができる条例を施行しています。
藤沢市内でも、駅前へのマンション建設が盛んです。問題は、マンション自体より、その高さです。とくに藤沢駅前は、まちの顔であるだけに、湘南の雰囲気を感じさせる努力が欠かせません。
湘南の雰囲気を形作る要素の一つが、高い青空です。まちの特徴を消し去るのではなく、強めなければなりません。かつては、業者内でも、こうした特徴を尊重して、高さを自主的に抑えてきた歴史がありますが、今では、地元の要望にもかかわらず、軽視されがちです。
藤沢市は、以前のわたしの質問に対して、低層住宅地域とは違って、商業地域の中なら、問題はないという立場で、政策は変わりそうもありません。